2006年09月13日(水) 20時27分
<理化学研究所>144人分のDNA情報が流出(毎日新聞)
理化学研究所は13日、NTTデータ社員の個人所有パソコンからファイル交換ソフト「ウィニー」を経由してネットワーク上に流出した情報の中に、同社との共同研究によって収集した患者144人分の遺伝子情報などが含まれていたと発表した。研究目的で集めた個人の遺伝情報が外部へ漏れるのは初めてとみられる。ただ、情報は匿名化されており、個人の特定はできないという。
理研によると、漏れたのは一塩基多型(SNP)と呼ばれる患者の遺伝子情報や病気との関連を解析したデータ。遺伝情報は「究極の個人情報」とされ、理研などは政府の「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」に基づいて、情報管理の規則を定めていた。その中には許可なく業務にかかわる情報を持ち出してはいけないと定められているが、この社員は自宅で仕事をするために許可を得ずに持ち帰っていた。
文部科学省ライフサイエンス課は「遺伝情報は暗号化しているので、個人は特定できないが、流出自体が大きな問題だ。理研などから事情を聴き、対応を検討したい」と話している。【下桐実雅子】
(毎日新聞) - 9月13日20時27分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060913-00000052-mai-soci