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2006年09月10日(日) 12時48分

飲酒運転免職、“減刑”の自治体も…読売調査読売新聞

 「飲酒運転すると、原則免職」という厳しい基準を設けているのは9県市と少数派であることが、読売新聞の全国調査(47都道府県と15政令市対象)で明らかになったが、こうした自治体でも、飲酒運転をしても免職にならなかったり、人事委員会の裁定で停職に変更されたりするケースが相次いでいる。

 厳罰化の徹底が揺らぐ事態に、飲酒運転死亡事故の遺族らからは、「これでは飲酒事故はなくならない」と怒りの声が上がっている。「飲酒運転は原則、懲戒免職」との要綱を2003年4月に設け、厳罰化に乗り出した青森県。だが、05年3月、飲酒運転で摘発され懲戒免職となった男性職員に対し、県人事委は、「免職は重すぎる」との理由で停職4か月に修正。05年6月には、酒気帯び運転で摘発された男性職員に対し、「飲酒後5時間以上たっている」との理由で、停職6か月の処分とするなど、すでに4件で“減刑”された。

 県人事課は、「飲酒後に相当の時間を経過して摘発された場合は要綱の例外。合理的で見直すつもりはない」と話す。

 横浜市では、03年に「免職」基準を設けたが、職場の上司から勤務態度が良好と判断されるなどした三つのケースについては、いずれも停職にとどめた。また、高知県でもいったん免職が決まったが、その後、県人事委の裁定で停職1年になったケースがある。

 東名高速で飲酒運転のトラックに追突され、娘2人を亡くした会社員井上郁美さんは、「基準を厳格に適用しないのは社会への裏切り行為。ルールは毅然(きぜん)と守ってほしい」と話す。

 また、交通事故問題に詳しいジャーナリスト柳原三佳さんによると、交通事故による公務員の起訴率はほかの一般市民の4分の1程度という。柳原さんは、「公務員は守られているとの意識が、交通安全の感覚をマヒさせている。厳格な基準を守らなければ、また大事故が起こるだろう」と警告する。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060910i204.htm