2006年09月09日(土) 16時32分
ヒューレット・パッカード 記者装い通話記録入手 リーク元を強引捜査(産経新聞)
【ワシントン=渡辺浩生】米コンピューター大手のヒューレット・パッカード(HP)が情報のリーク元を突き止めるため、取締役や担当記者の通話記録を本人になりすまして電話会社から入手していたことが明らかになった。米カリフォルニア州の司法当局が調査に着手した。
HPは2005年、敏腕の女性経営トップとして話題となったフィオリーナ前会長兼最高経営責任者(CEO)の同年の解任劇をめぐり、取締役会の議論の中身が報じられたことから、リーク元を突き止める内部調査委員会を設置。同社に雇われた私立探偵が取締役本人のふりをして電話会社から通話記録を入手した結果、ジョージ・キーワース取締役が情報源として判明した。
米紙ウォールストリート・ジャーナルとニューヨーク・タイムズ、オンラインニュースのCNETなどの、HPを担当する9人の記者の電話記録も同様の手法で入手していたことが分かった。
リーク元特定に用いられたのは「プリティスティング」と呼ばれ、AP通信によると米国内の11州で違法化されている。カリフォルニア州司法当局者は米メディアに対して、HPのケースが州法に違反する可能性を示した。
8日付のニューヨーク・タイムズは「記者の権利が侵害されたことに深い関心を持っている」という顧問弁護士の談話を掲載。ウォールストリート・ジャーナルはパトリシア・ダン会長が引責辞任する用意があると報じた。これに対しHP側は、同会長が調査の手法までは把握していなかった、としたうえで辞任を否定した。
(産経新聞) - 9月9日16時32分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060909-00000014-san-bus_all