2006年09月08日(金) 20時21分

佐藤工業会長を逮捕、競売入札妨害の疑い　福島談合（朝日新聞）

　福島県発注の下水道工事をめぐる談合事件で、東京地検特捜部は８日、同県内の建設大手「佐藤工業」（福島市）会長で、県商工会議所連合会前会長の佐藤勝三容疑者（６６）を競売入札妨害（談合）容疑で逮捕した。佐藤会長は県内の建設業界で大きな影響力を持っていたという。特捜部は６日から、佐藤栄佐久・福島県知事の実弟（６３）に対する参考人としての事情聴取も続けている。

　調べでは、佐藤会長は、同県内の設備会社社長、辻政雄容疑者（５９）、佐藤工業営業統括部長の八巻恵一容疑者（４７）や、準大手ゼネコン「東急建設」（東京都渋谷区）の営業担当者らと共謀。０４年８月に同県が発注した福島市周辺の流域下水道整備工事の入札の際、仙台市の東急建設東北支店などで談合した疑い。

　この入札では、東急建設と佐藤工業が共同企業体を組み、約７億７８００万円で落札した。

　県内の複数の建設業者によると、佐藤会長は、同県の公共工事の談合で県内業者の仕切り役を務めていたという。

　佐藤工業は、談合が行われた疑いが浮上している同県発注の自動車専用道路「あぶくま高原道路」の工事をめぐっても、９６〜０４年度までの間に十数件を落札している。

　佐藤会長は、０１年に同県建設業協会の会長に就任し、県内業者に公共工事を優先的に発注するよう県に働きかけるなどした。０４年から県商工会議所連合会会長に就いた。

　佐藤会長は４日に福島市内で記者会見し、下水道工事などの談合について、「私は知らない。調べれば、（疑惑は）真っ白になるのではないか」と述べていた。

http://www.asahi.com/national/update/0908/TKY200609080304.html