2006年09月08日(金) 09時55分

山口高専生殺害　遺体は手配の学生　事件後間もなく自殺か（毎日新聞）

拡大写真
手配中の学生の遺体が発見された現場（手前道路は山陽自動車道）＝山口県下松市で７日午後２時３３分、野村雄二写す 　 　山口県周南市の徳山工業高等専門学校で、土木建築工学科５年、中谷歩（なかたにあゆみ）さん（２０）＝同県防府市伊佐江＝が殺害された事件で、殺人容疑で全国に指名手配されていた同級生で同じ研究室の男子学生（１９）＝周南市＝の遺体が７日、同県下松市の山中で見つかった。死後約１０日経過しており、県警の捜査本部は事件直後の昼ごろに首をつって自殺したとみている。逃走に使われたバイクも近くで見つかったが、遺書などはなかった。
　遺体の発見現場は、山陽自動車道下松サービスエリアの西約２キロの山中で、学校から東に約５キロの地点。７日午前１０時ごろ、山道（幅約１メートル）に青いスポーツタイプの原付きバイクが立った状態で放置されているのを捜索中の捜査員が見つけた。周辺をさらに捜索したところ、正午ごろ数十メートル離れた山の急斜面で遺体があおむけの状態で見つかった。
　調べでは、遺体は服や靴を身に着けていたが、一部が白骨化しており、近くの木２本の幹にビニールひもの両端が結びつけてあった。そばにあったオレンジ色のリュックサックから男子学生の運転免許証が見つかり、県警が遺体の指紋と毛髪を鑑定して男子学生と断定した。
　リュックの中の財布には、事件直後の８月２８日正午前に下松市内の量販店で、２種類の荷造り用のビニールひもを購入したことを示すレシートがあった。男子学生はその約３０分前の午前１１時半ごろ、バイクで学校を出るのを目撃されており、県警は男子学生が中谷さんを殺害後、ビニールひもを買い、山中で首つり自殺を図ったとみている。
　所持金は約３０００円で、携帯電話は電池パックが外れた状態だった。関係者の証言から、電源は２８日午後０時半ごろには切れたとみられる。
　遺体の腐敗が激しいため、司法解剖で死因は特定できなかったが、首をつって窒息死した可能性が高いとみられ、県警は被疑者死亡のまま、殺人容疑で書類送検する。
　これまでの調べでは、男子学生は８月２８日午前１０時半〜正午、同校専門科目棟３階にある研究室で、中谷さんの首をビニールひもで絞めて殺害した疑い。県警が遺体に付着した毛髪などを鑑定した結果、男子学生のＤＮＡと一致したため、２９日に逮捕状を取り、指名手配していた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060908-00000000-maip-soci