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2006年09月07日(木) 00時00分

団塊おばさんのカフェ 立川朝日新聞

 「60歳になったら、何かやろうね」と約束した女性2人がこの春、立川市内に念願の喫茶店を開いた。得意のおしゃべりで人の輪を広げ、コーヒーと自家製ケーキでもてなす。2人に言わせると「団塊のおばさんカフェ」。毎年秋に開かれる立川商工会議所の起業セミナーに4年間通い、「商売にならない」と言われながらも根気強く企画を売り込み、夢を実現させた。

 喫茶店があるのは同市柴崎町3丁目。JR立川駅南口から300メートルほどの場所だ。立川商議所が商店街活性化を目的に設け、割安な賃料で1年間入居できる「チャレンジショップ」に店を構えた。

 経営者の高橋和子さん(60)が特製ケーキを作り、コーヒーをいれる。パートナーの桝井満子さん(62)が、趣味の占いを生かしてお客の人生相談に応じる。

 「おばちゃんの取りえと言えば、人生経験と人脈くらい。お客さんがおしゃべりの中で何かを見つけ、元気になってもらえれば」と高橋さん。カフェの名前「トーク・スペース」も、そんな願いを込めた。

 4月下旬のオープンから4カ月余り。桝井さんの占いでの的確なアドバイスが評判となり、女性客を中心に口コミ客が増えているという。お客同士が意気投合し、映画上映会を企画するサークルも生まれた。

 25年間、経理のパート一筋だったという高橋さん。「年を取って自宅でボーッとしているのはイヤ」と、10年ほど前、友人の桝井さんと、楽しくおしゃべりが出来る喫茶店を開こうと約束。2人は開業資金の150万円をこつこつとためた。

 賃料が周辺相場の約5分の1というチャレンジショップの存在を知り、入居条件だった立川商議所の起業セミナーに参加。企画書に「老後の人生の恩返しに、おしゃべりの場所を出店したい」と記した。だが、商議所の答えは「これではNPOで、商売ではない」と一蹴(いっしゅう)された。一度しか受講できない起業セミナーに、無理を言って4回参加。ランチを出すことなどを条件に、3度目の企画書でOKが出た。

 「男性は一生、仕事で活躍したとか、武勇伝を酒の肴(さかな)に盛り上がる。家庭とパート一筋の私にも、そんな自慢話が欲しかった」と、高橋さんはほほ笑む。

 3年前に会社を定年退職した高橋さんの夫は、自宅でのんびり過ごしているという。

http://mytown.asahi.com/tama/news.php?k_id=14000000609070002