2006年09月06日(水) 23時17分

＜杉浦法相＞付帯私訴の導入など法制審に諮問（毎日新聞）

　杉浦正健法相は６日、保険契約の基本ルールを定めた保険法（商法の一部）の抜本的な見直しを法制審議会に諮問した。法務省は答申を得た上で、０８年の通常国会に関係法案を提出する方針。
　保険法の抜本改正ははほぼ１世紀ぶり。これまでは損害保険と生命保険の規定しかなかったが、新たに医療保険やがん保険などの「第３分野」の保険についての規定を整備し、明文の契約ルールがなかった共済も保険法の適用対象とする。表記はひらがな・口語体に改める。
　◇「付帯私訴」導入も
　一方、杉浦法相は同日、犯罪被害者が刑事裁判の場で加害者に賠償請求できる「付帯私訴」の導入や、被害者が被告人質問などの刑事裁判手続きに直接参加できる制度の創設も法制審に諮問した。早ければ来年の通常国会に刑事訴訟法改正案などを提出する。
　付帯私訴は、刑事裁判の証拠を利用して、同じ裁判官が民事の損害賠償も命じるため、被害者の立証負担が軽くなる利点があるとされる。また、被害者が刑事裁判に直接かかわる制度としては、自分で被告に質問できる仕組みの具体案などが検討される。
　このほか、法廷外の別室からモニターを通じて証言する「ビデオリンク方式」を民事裁判でも導入することや、公開の法廷で性犯罪被害者らの氏名を明らかにしない措置を法律に明記することも諮問した。【森本英彦】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060906-00000100-mai-pol