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2006年09月06日(水) 21時06分

犯罪被害者の刑事裁判参加を諮問 法制審に法相朝日新聞

 杉浦法相は6日、犯罪被害者が刑事裁判の手続きの中で被告人に直接質問したり、民事上の損害賠償を請求したりできる制度の創設の是非を法制審議会に諮問した。事件の当事者でありながら裁判では「傍聴人」にとどまってきた被害者の思いをどう裁判に反映させられるか検討する。被告人を犯人と決めつけることにつながりかねないとの慎重論も根強く、諮問で具体案までは示さず、幅広い意見を求めることにした。08年の国会への関連法案提出を目指す。

 最大のポイントは、犯罪被害者などが刑事裁判に直接関与することのできる制度の創設だ。

 これまで、被害者は証人として出廷したり意見陳述をしたりする時以外は傍聴席に座っているしかなく、「被告人に直接質問したい」との思いが募っていた。一方、被告人が犯人かどうかについて白紙で臨み、起訴が間違っていないかどうか慎重に審理することで冤罪や誤判をなくすことをめざす刑事裁判の原則からは、反対意見も根強い。

 「法廷と傍聴席を仕切るさくの内側に入って当事者席に座れるのか」や「証人尋問などの際に検察官に意見を述べられるようにするのか」など、線引きをどうするのかが論点となりそうだ。

 もう一つの注目点は、刑事手続きの成果を民事上の損害賠償請求に利用できる制度の創設だ。

 現状では、被害者が被告人を相手に民事上の損害賠償訴訟を起こす場合、刑事とは別の裁判官が審理し、証拠調べなども別々に行われる。

 フランスやドイツで導入されている「付帯私訴」制度では、刑事、民事の両裁判が同じ裁判官によって行われ、迅速な被害回復が可能だとされ、被害者団体が導入を求めてきた。

http://www.asahi.com/national/update/0906/TKY200609060437.html