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凍結精子で生まれた子をめぐる父子関係の認知で、最高裁が判断を示したのは初めて。判決は全員一致の意見だった。
判決理由で中川裁判長は「現行の民法が父の死後に妊娠した子を想定していないことは明らか」とした上で、「生まれてきた子は養育や扶養は受けられず、相続人にもなり得ない」と法的利益が享受できない点を重視して、結論を導いた。
中川裁判長は死後認知について「生命倫理や子の福祉、社会一般の考え方など多角的な観点から検討した上で、親子関係を認めるか否かは立法によって解決されるべき問題」と指摘。滝井繁男、今井功両裁判官は補足意見で、「速やかな法整備が必要だ」と立法措置を促した。
判決などによると、女性は夫が一九九九年に病死した後、夫の生前に凍結保存した精子で妊娠。二〇〇一年に男児を出産した。出生届を出したが、夫婦関係の消滅後三百日以上を経過していたことから嫡出子(結婚した男女の子)と認められなかったため、死後認知を求めて提訴した。公益の代表者としての検察官が被告となった。
一審松山地裁は〇三年十一月、「父親が死後の体外受精に同意したとは認められない。社会的認識も乏しい」として請求を棄却。二審高松高裁は「親子関係が存在することに加え、父親の同意があれば必要十分。妊娠時の父の生存を認知の要件とする理由はない」として女性の訴えを認めた。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060905/mng_____sya_____013.shtml