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「何の罪もない子から父親を取り上げるようなことはしないで」と母親は言った。父親の同意があり、血縁関係が間違いないなら、その子の認知は認めてやりたい。それが人情だ◆が、その子の妊娠、出生は父親の死後で、凍結保存した精子によるものだった。となると、うーんとうなってしまう。その子は既に5歳になっている。まことに難しい◆死後生殖の是非と、既に生まれている子の福祉とを同時に考えなければならないから難しい。高裁段階で判断が分かれていたのも、そのどちらを重視するかで違ったように思う◆死亡者の保存精子による人工生殖について、最高裁は「親子関係を認めるかどうかは立法の問題で、法がない以上、親子関係は認められない」とした。悪く言えば〈立法に丸投げ〉の判決だ◆司法が手を焼く難問を丸投げされた立法はさてどうする。〈法は三章で足りる〉は大昔の話。代理母やら第三者の精子・卵子の提供、死後生殖……生殖補助医療の進展に立法が追いつかない◆どこまでが〈自然の摂理〉か。とにかく、子供は親を選べない。