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厚生年金の記録と年金支給
自分の年金記録確認方法
会社員が将来受け取る厚生年金の額は、現役時代の給料と加入期間をもとに決まり、その記録は会社側が社保庁に届け出ている。
記録の間違いは氏名や性別など単純なものも含めて多数あるが、社保庁は今回、00〜05年度の記録のうち、加入した日付を示す「資格取得」と、月給をもとに決める「標準報酬月額」の訂正件数を初めてまとめた。いずれも支給額に直接影響する項目だ。
訂正は例年、資格取得が20万件ほどで報酬月額は8万件前後。最も多かったのは02年度で資格取得22万3000件、報酬月額8万4000件の計30万7000件。05年度はやや減って資格取得19万4000件、報酬月額6万2000件の計25万6000件だった。
資格取得は、入社した社員について会社が届け出なければならないほか、転勤でも手続きが必要な場合がある。報酬月額は、大幅な月給の変動や転勤・転職がなければ、全社員分を年に1回提出する。
厚生年金に加入している会社員は約3300万人。資格取得は転勤や転職時の手続きのため、全体でも年に数百万件とみられる。報酬月額の記録は全体で年4000万〜5000万件とみられ、訂正の頻度は資格取得より低い。
社保庁は間違いの中身の分析まではしていないが、大手企業数社の人事担当者らによると、提出データの誤りや入力ミスで、加入期間に1カ月〜数年間の空白ができるような例が多いという。月給の記録が1ケタ違ったという事例もあった。空白期間があればその分年金額が減る。
社保庁によると、間違いは、会社が社員の保険料を納める時に社保庁側の算出額と食い違っているとわかったり、各地の社会保険事務所にいる社会保険調査官の調べで見つかったりすることが多い。自分の記録を確認した会社員が気づくケースもある。
社保庁年金保険課は「訂正は主に事業主の届け出に基づいて行っており、社保庁のミスだけではない。調査でわかったケースもあり、件数が多いから問題とはいえない」と説明している。
社会保険労務士の井原誠さんは「中小企業を中心に、保険料負担を減らそうと試用期間中は厚生年金に入れなかったり、給料を低く報告したりする会社もある。社保庁の調査にも限界がある。今回わかったのは氷山の一角で、ミスはもっとたくさんあるはずだ。心配な人は自分で確認したほうがいい」と指摘する。
社保庁は現在、社会保険事務所に専門窓口を設けるなど、記録訂正の相談を強化している。
http://www.asahi.com/national/update/0902/TKY200609020331.html