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「梶原前知事に東京出張の際のホテル代の一部が不正経理から捻出(ねんしゅつ)されていることを知らせたが、反論もなく、その後、旅費規定の改定を指示された」
「総務部長がミニコミ誌の購読をやめてよいか相談したが、『そんなものは就任当時からやめよといっているだろう』と言って不愉快になり、奥へこもってしまった」
検討委員会がまとめた報告書は、裏金にかかわる問題に触れた際の梶原前知事の言動について、元県幹部らの証言を詳しく盛り込んだ。
検討委員会はこうした梶原前知事の姿勢について、裏金隠しに関与した県幹部や県職員組合の幹部と比べ、「彼らにも増して重大な責任がある」と言い切った。
検討委員会によると、三重県などで裏金問題が発覚したため、梶原前知事はいったん裏金の総点検を検討した。
だが「県庁全体が混乱する」とする当時の森元恒雄副知事(現・自民党参院議員)の助言を受けて翻意した。以後は、「あるかどうかは関知しないが、もし見つかれば処分する」という姿勢に終始したと指摘した。
検討委員会の幅隆彦委員長は記者会見で「裏金を明らかにできず、隠す方向に組織全体が動いた」と述べた。職員が裏金を焼いたり捨てたりしたとされることについても「梶原前知事の姿勢が招いたとも言える」と強調した。
梶原前知事は現在、岐阜県イベント・スポーツ振興事業団の会長や、県顧問、地方自治情報センター顧問など複数の公職を務めている。委員会は「自ら公職を退いていただくことを期待する」と注文をつけた。
梶原前知事は検討委員会の報告を受けて、いったんは2日に記者会見すると発表していた。だが、会見は一方的に延期され、予定は立っていない。
http://www.asahi.com/national/update/0902/NGY200609010007.html