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「手話が上手だったので信じて預けてしまった」。県内や東京都などの聴覚障害者が、高利息を条件に出資を募った東京都の福祉関連会社社長らに現金を預けたものの、ほとんどが返されない問題で、県内の聴覚障害者6人が31日、社長ら計4人を詐欺と出資法違反(預かり金の禁止)容疑で県警に告訴した。障害者らは記者会見で、手話を駆使して信じ込ませる手法で勧誘した社長らについて、怒りをあらわにした。
告訴状などによると、社長らは返済する意思がないにもかかわらず、05年3月下旬から9月上旬にかけて、それぞれの自宅などで「お金を預ければきちんと配当する」「必要なときはいつでも返す」などともちかけ、6人から計5750万円をだまし取ったという。
出資をしぶる障害者に対しては、社長が経営していた神奈川県内の老人福祉施設を取り上げ、その運用益を利息の形で預金者に還元すると説明。社長が経営する東京都の貸金業者の登録証を見せて安心させる手口だったという。
記者会見で、被害対策弁護団の花輪仁士弁護士は「被害者は、社長が健常者にもかかわらず手話ができることで信用してしまった」と話した。告訴に踏み切った理由については「社長は聴覚障害者を狙って勧誘しており、これ以上、被害を広げるわけにはいかない」と語った。
記者会見で、50代の聴覚障害者の女性は「手話が上手だったので、1100万円を預けてしまった」。「やっと告訴することができた。早くつかまえて解決してほしいです」と訴えた。この女性は預けた約1週間後、自宅の改装工事のため現金が必要となり解約を迫ったが、断られたという。
また、夫婦で1300万円を預けた60代の男性は社長に対して「おしゃれで雰囲気はよかった」という印象を持ったという。「文章を読ませられるよりも、手話の方が意味がわかりやすくてだまされた」と説明した。
弁護団らによると、県内では少なくとも約30人が、計1億5千万円を社長らに預けているとみている。
また、同容疑で警視庁へ告訴の準備を進めている東京都の弁護士らのまとめでは、県内以外の関東周辺と静岡、愛知、岐阜の東海地方を合わせて被害者は障害者ら50人に上り、計6億円近い被害がある。県内を含めると、全国では、少なくとも80人に計7億5千万近い被害があるとみられるという。
同社長らによる勧誘をめぐっては、東京、名古屋地裁ですでに数件の民事訴訟が提訴されていずれも原告が勝訴しているが、刑事告訴は全国で初めて。
http://mytown.asahi.com/yamanashi/news.php?k_id=20000000609010006