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朝日新聞の報道が始まった7月末以降、全国の集団の拠点で「異変」が起きている。
国内組織「ナンバー2」の韓国人女性(44)=出入国管理法違反容疑で告発=が住む千葉市では、「教会」に使われていた数カ所のマンションから一斉に人影が消えた。毎週の恒例だった「日曜礼拝」も開かれなくなった。国内代表者の韓国人女性(45)が信者と暮らしていた大阪府豊中市の邸宅も、人の出入りがなくなり、ひっそりしている。
「大学内での勧誘は当面やめる」。集団内にはそんな指示が最近、出されたという。学生を取り込む手段にしていたサッカーやバレーボールのサークルの大会も相次いで中止された。
ある女性元信者は、脱会を決意した現役信者の一人=東京在住=から、「連絡を取れない人が日ごとに増え、都内の教会はあせっている」「壊滅的な打撃を受けた大学もある」などの情報を聞かされた。
教祖に絶対服従を誓う各地の「教会」リーダーら少数の幹部は最近、末端信者らにこう言い含めている。
「週刊誌も新聞もテレビもうそばかり。こんなことで惑わされてはいけない」「実家に帰ったら携帯電話は必ずロックし、報道のことで家族に何か言われたら、『知らない』とごまかしなさい」「取材が来たら丁重に断りなさい」
大阪府内では、脱会の意思を示した女子学生が、自宅近くで顔なじみの女性信者の待ち伏せに遭った。「リーダーと話をして」と詰め寄られ、警察に通報する騒ぎにもなった。
集団の混乱の一方で、関西在住の女性元信者が運営する脱会支援サイトには、アクセスが急増している。報道前は1日に200件だったが、3万件に達した。
「報道をみてがく然として、我に返った。でもやめると伝えるのが怖い」。現役信者からのそんな書き込みが目立つ。
女性はいま、信者やその親らから約20件の脱会相談に応じている。サイトを通じ、個別の脱会相談にのる元信者の「協力者」も増えており、50人を超えた。
首都圏在住の男性脱会者(27)は、元信者による集まりを初めて企画し、15人から賛同の連絡をもらった。脱会支援活動に携わっている川島堅二・恵泉女学園大教授(宗教学)も、9月に元信者の親らの「語り合う会」を開く。「長期間、マインドコントロール下にあった被害者らの精神的ショックは大きく、脱会後も悩みや不安をわかち合えるカウンセリングの場は必要」と話す。今後は月1回のペースで「語り合う会」を開く予定だ。
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鄭教祖はいまでも、電話やインターネットを使って、「御言葉(みことば)」と呼ばれるメッセージを信者に発信し続けている。要旨は次の通り。
「今回の問題は絶対に影響を受けてはいけない。韓国では3年間迫害にあった。韓国を見なさい。その間に摂理を出た人は結局、暗闇の世界に行ってしまった」(7月31日、幹部への電話から)
「民族の罪を私たち摂理人が負っていると思いながら迎えてください。韓国の場合は、この前の迫害の時には良心的な裁きがあった。日本の場合はそれよりもっと恐ろしい裁きをうけるはず」(8月2日、幹部への電話から)
「私は神様と一緒になって打ち合わせをしてこの御言葉を伝えている。私の話を聞くようにしなさい。インターネットを見て私の悪口を書いてあるのを見つけたら100回、1000回呪ってください。彼らは悪い行いをしている。畑に毒の種をまいている。マスコミにたたかれても、絶対に摂理を信じてください」(8月6日、インターネットで送信されたビデオメッセージから)
http://www.asahi.com/national/update/0831/OSK200608310083.html