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【ミクシィって?】
ミクシィは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)と呼ばれるインターネットサービスで、500万人という日本最大のユーザーを持つ。SNSとは、参加者がネット上で友人を紹介し合い、友達の輪を広げる“場”のこと。
笠原社長は東大経済学部在学中の平成9年、ネット上に求人情報サイト「Find job!」を立ち上げ、ネット起業家としての第一歩を踏み出した。11年6月にサイト運営会社のイー・マーキュリーを設立し、16年にSNS「ミクシィ」を開設。これで一躍有名になり、今年、社名をミクシィに変更した。
笠原氏について関係者は「30歳と若い経営者だが、GMOインターネットの熊谷正寿社長らネット業界の人脈は豊富」と明かす。
東大在学中にサイトを立ち上げた起業家という点ではホリエモンと似ているが、経営姿勢は異なるようで、笠原氏は「企業買収をして売り上げを増やすだけではあまり意味がない。お金じゃない価値がそこにあるべき」と語っている。
【うなぎ上り】
同社の業績はうなぎ上りだ。売上高は倍々ゲームで増え、14年3月期の7000万円から直近の18年3月期には18億9300万円となっている。最終利益も14年3月期に約357万円の赤字だったのが、18年3月期には5億7600万円を計上するまでになった。
ただ、こうした急成長の“ひずみ”も出ているようで、ある民間信用調査機関では「平成13年以降の転職情報サイトの需要増大で業界大手に成長したが、急激な事業進展によって資金面の対応に難あり」との評価を下している。
【株価は天井!?】
そんなミクシィが資金調達のため、東証マザーズに上場する。市場では期待の高さを物語るように、「成長性を考えると(株価に発行済み株式数をかけ合わせた)時価総額は1000億円」(ネット証券幹部)との声も出ている。
繰り返しになるが、同社の業績はいくら急成長しているとはいえ、直近の18年3月期で売上高18億9300万円、営業利益9億1200万円、最終利益5億7600万円である。それが時価総額1000億円というのだから、期待が大きすぎる感もある。
そしてこうした期待先行の展開に対して、「行き過ぎた評価だ。熱くなりすぎると、ヤケドをする」(外資系証券幹部)と投資家に警鐘を鳴らす向きもある。
ミクシィ株の公募・売り出し価格は9月5日に決定されるが、130万−155万円の間で設定される見通しだ。
新規発行する公募株式数は4500株、既存株主からの売り出し株式数が2100株、需要が多すぎる場合に追加的に売り出すオーバーアロットメントによる売り出し株式数が500株(上限)となっている。
ミクシィの市場からの資金調達額は70億円前後となる見通しだが、気になるのが上場初日にどんな値動きをするかだ。多くの市場関係者は、同社への評価に温度差があることを認めた上で、「上場初日は天井(上がりまくること)になりそう」(銀行系証券幹部)との見方で一致している。
「なんといっても、ネット投資家ウケする銘柄ということが大きい。さらに上場にあたっての条件も一風変わっているため、株価が高騰する可能性が高い」(同)
ここでいう一風変わった条件とは、ミクシィ株の上場にあたり、ロックアップ(売却凍結)条項がなく、ストックオプションも上場初日から行使可能なことを指す。
「ロックアップ条項とは、既存株主に上場から一定期間、株式売却を控えてもらう制度のこと。そうすることによって需給関係を安定させ、スムーズな上場を目指すわけです。ストックオプションについても、役員らに権利を行使され、株を市場で売りまくられたら需給関係が崩れるおそれがあるので、通常は上場日には行使できないようにしますが、ミクシィはその制限もない。大株主や自社の役員が、上場初日からバンバン市場でミクシィ株を売れる状況にあるのです」
これだけ株を売れる環境にあると、株価は下がるとみるのが一般的。
だが、ミクシィ株の場合、とりあえず上場初日はネット投資家らが次々と買いを入れてくる可能性が高い。そのため売りが出てもドンドン買われ、株価はうなぎ上りになる−とみられているのだ。
投資家にとって9月14日は、熱い1日となりそうだ。
ZAKZAK 2006/08/31