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電気ストーブの構造
家電から発生した化学物質による健康被害について賠償を命じた判決は異例。販売店側に安全確認を怠った過失を認めた点も注目される。
電気ストーブは台湾の家電メーカー「燦坤(サンクン)」グループが製造した「ユーパ TSK—5302LG」。男性は高校生だった01年1月の購入後、1カ月ほどで歩行と呼吸が困難になるなどの症状が現れ、中枢神経機能障害などと診断された。ストーブ使用をやめた後も、後遺症として化学物質過敏症の症状があると主張している。メーカー側を相手取った訴訟は一審で係争中。
判決は、ストーブのガード部分に塗られた合成樹脂を含む有機塗料が加熱され、ホルムアルデヒドなど人体に有害な化学物質が発生したと指摘。男性は、長い時には1日5時間以上も換気のない自室でストーブを使用しており、化学物質の発生と症状との間に「高度の蓋然性(がいぜんせい)を認めることができる」と述べて因果関係を認めた。
販売したヨーカ堂の過失については、化学物質過敏症の診断基準が示されるなど危険性が一般に知られ、ヨーカ堂も98年に環境ホルモンを含む製品の販売を中止していたことから、01年1月当時、人体への影響は予見できたと判断。においについての苦情がメーカーに寄せられていた点も考慮して、「安全性が確認されるまで販売中止などの措置を取るべきだった」と指摘した。
同型の電気ストーブは00年9月から03年3月末までに約30万台がメーカーから出荷され、このうち00年9月から01年4月までにヨーカ堂で5341台販売された。
ヨーカ堂側は訴訟で、「そもそもストーブから化学物質が発生したことは認められない」などと全面的に争っていた。
http://www.asahi.com/national/update/0831/TKY200608310328.html