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2006年08月30日(水) 16時48分

携帯「良番」だまし取る 容疑の社長・組員逮捕朝日新聞

 「090」以下8ケタが同じ数字の珍しい携帯電話番号の持ち主から、勝手に所有権を移転し、だまし取ったとして、兵庫県警は30日、詐欺と有印私文書偽造・同行使の疑いで、札幌市内の携帯電話販売会社社長中尾臣吾(31)、同市内の暴力団組員保科宏和(32)の両容疑者を逮捕した。同じ番号が続く「ぞろ目」や「123……」などと順番に並ぶ連番の携帯電話番号は「良番」と呼ばれ、中には数億円の高値で取引される例もあるという。警察庁によると、携帯電話番号の売買をめぐる摘発は、過去に例がないという。

 兵庫県警暴力団対策課の調べでは、2人は昨年5月、同県西宮市内の携帯電話販売会社が所有していた「090」以下8ケタがぞろ目の携帯電話番号を保科容疑者に譲渡する委任状を偽造し、東京都内の別の携帯電話販売会社に提出して番号をだまし取った疑い。

 中尾容疑者が保科容疑者に依頼して番号をだまし取らせ、約300万円で買い取っていた。中尾容疑者は、この番号をさらに高値で転売することを計画していたという。今年4月、西宮市内の販売会社が携帯電話の機種変更をしようとした際、名義が別人になっていることに気づき、県警に相談した。

 県警は、10月から利用者が携帯電話会社を変えても同じ番号を引き続き使用できる「番号ポータビリティー(持ち運び)制度」が実施されることから、中尾容疑者らが「良番」の相場の高騰を見込んでいたとみている。

http://www.asahi.com/national/update/0830/OSK200608300029.html