2006年08月28日(月) 19時08分

２児を殺害した容疑で母親を逮捕　「自分も死のうと」（朝日新聞）

　２８日午後０時５分ごろ、奈良県天理市前栽町の会社員佐々木修さん（３８）方から、女性の声で「子どもを殺した」と１１０番通報があった。県警天理署員が駆けつけると、長男の幼稚園児崇ちゃん（４）と長女麻衣ちゃん（４カ月）がアパートの居間で死亡していた。自宅にいた母親の直美容疑者（３５）が「私が殺して通報した」などと話したため、殺人の疑いで緊急逮捕した。

　県警の調べによると、直美容疑者は同日午前、自宅で崇ちゃんと麻衣ちゃんの首を絞め殺害した疑い。調べに「エプロンのひもで絞めた。子どもの調子が悪くて悩んでおり、自分も死のうと思った」などと話しており、県警は育児に悩んで無理心中を図ろうとしたとみている。

　署員が現場に着いたとき、２人の遺体は座布団に寝かされ、タオルケットがかけられていたという。直美容疑者は「上の子がシャボン玉の液を誤って飲み、体に発疹ができるようになった。私のせいだ」「７月ごろから一緒に死のうと思っていた」などと話しているという。通報する直前に勤務先の修さんにも、「殺してしまった」などと電話していた。

　直美容疑者は４月に麻衣ちゃんを出産。崇ちゃんの通っていた市立前栽幼稚園の大西宏子園長によると、出産直後も崇ちゃんの送り迎えをしていたが、６月２０日から「長女の世話が大変なので大阪の実家で子育てする」との理由で、８月末まで休園届を出していたという。

　大西園長は「（直美容疑者は）独りで悩んでいるようには見えなかった。崇ちゃんは積み木で車を作って遊ぶのが好きな子だった。夏休みに入る前も『大阪のおばあちゃんのところで遊んだ』とたくさん話してくれたのに信じられない」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/0828/OSK200608280044.html