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無罪判決後、ガッツポーズで支持者にこたえる荒川庸生さん=28日午前、東京地裁前で
「みなさんと戦いとった無罪判決です」。判決言い渡しの後、大勢の支持者らが待ち受ける東京地裁前に、両拳を高々と突き上げて現れた被告の住職、荒川庸生さん(58)には笑みがあふれていた。
判決後、記者会見に臨んだ荒川さんは「市民感覚に沿って判断してほしいと法廷で訴えてきた。裁判長には敬意を表したい。検察には、これ以上、言論・表現の自由、知る権利を犯罪化しておとしめることはやめてほしい」と語った。
また、弁護団は、判決について、「憲法が保障する言論の自由の重要性を明確にすることで、『憲法の番人』としての司法の役割が見事果たされた」とする声明を発表した。
荒川さんによれば、ビラ配布のため葛飾区内の自宅を出たのは、04年12月23日の午後2時ごろ。平和や民主主義についての考え方が重なる共産党を長年支持し、ビラ配布を続けてきた。この日も都議会報告などを300セット、自転車のかごに入れて出発した。
現場となったマンションの共同玄関はいつも無施錠。7階までエレベーターで上がり、居室のドアポストにビラを入れていった。「集合ポストでは捨てられてしまう。手抜きをせずに住民に届け、ビラを読んでほしかった」
だが、3階で配布中、住民男性に抗議を受け、通報された。弁護団によれば、110番を受理した際の警視庁の報告書には「共産党?」などの記載があった。
荒川さんは意見陳述でこう訴えた。「形式的に侵入かどうかを判断するのではなく、表現の自由が危機にさらされていることに思いを致して判断してほしい」。その思いがこの日、通じた。
http://www.asahi.com/national/update/0828/TKY200608280161.html