2006年08月26日(土) 13時02分

振り込め詐欺：おれおれ詐欺被害者、９５％「手口知っていた」−−県警アンケ　／群馬（毎日新聞）

　◇「電話で動揺」浮き彫り−−全国初の県警アンケ
　おれおれ詐欺にだまされた人のうち、９５％がテレビや新聞などで手口を知っていたことが２５日、県警捜査２課がまとめた被害者のアンケート結果で分かった。さらに７０％が「自分に電話がかかってくるとは思わなかった」と答えており、手口を知っていながら、実際に電話が来ると動揺して振り込んでしまう心理が浮き彫りになった。被害者本人が答えたアンケートは全国初。
　アンケートは０５年におれおれ詐欺に遭い、電話対応をした被害者１０８人を対象に実施し、９４人が回答した（回答率８７％）。男性は１６人で、女性は７８人。６５歳以上は４６人とほぼ半分を占めた。職業は無職が６８人で、ほとんどが留守宅を守る主婦だった。１人暮らしは１７人と少数派だった。
　事件の前に振り込め詐欺を「知らなかった」と答えたのは５人のみで、８９人はテレビや新聞などで手口などを知っていた。また、相手の話の信用度を問う項目では「２割以下しか信じていなかった」と７人が答え、半信半疑のまま振り込んでしまうケースが多い。
　電話を受けた後の対応では「本人に確認しなかった」が６５人で「できなかった」の２９人を大幅に上回った。理由については「本人を名乗る人物が電話に出たため」が３２人で最も多かった。また、５４人が「周囲へ相談しなかった」と答え、「できなかった」の２８人のほぼ倍の数となった。理由は「相手を信用した」が３０人で最多。相手と話すうちに、客観的な判断が下しにくくなるようだ。
　同課によると、振り込め詐欺は７月末現在で１６４件発生。前年同時期と比べ２４件減っているが、１件あたりの平均被害額は約２０３万円と、２年前の約１０８万円からほぼ倍額になっている。同課は「すぐに振り込まず、本人や家族に相談して」と注意を呼びかけている。
　アンケート結果は県内各署で活用する。また、県警ホームページ（ＨＰ）で公開している。【伊澤拓也】

８月２６日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060826-00000109-mailo-l10