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鹿角市と小坂町を管内にもつ鹿角広域行政組合消防本部では、4月から災害情報の配信を始め、これまでに約500人が登録した。
秋田市と横手市でも7月から同様の配信サービスを開始し、それぞれ700人、1500人超と、着実に登録者数を増やしている。連続児童殺人事件が起きた藤里町でも、今夏から不審者などの防犯情報を配信するシステムを導入した。
サービスでは、地震や台風などの災害や悪質な訪問販売、車上狙いの発生といった情報を伝えるほか、運営主体となる自治体や消防の職員の非常招集、地元消防団員への出動要請にも援用できると期待されている。事前に自分のメールアドレスを運営側に送信して利用を申し込むと、配信を受けられる。
しかし、コストや費用対効果が課題になっている。
秋田市ではサービス開始後、実際にメールを配信した回数は24日現在でわずか2回。一方、運営費は、メールサーバーと、過去の災害履歴などを電子地図上で管理する「GISサーバー」の機器リース代で月約23万円かかる。年明けからはシステムの保守費も加わり、月に計約38万5000円を負担するという。
秋田、横手両市では、サービス開始直後から「登録してもメールが届かない」という問い合わせも寄せられている。迷惑メール対策で、携帯電話がパソコンからのメールを拒否する設定になっていたためという。両市ではホームページなどで設定を変えるよう呼び掛けているが、なかなか周知が図れないのが現状だ。
こうした問題から、導入を控える自治体も少なくない。
井川町では全29集落のうち、携帯電話の不感地帯が少なくとも8集落にある。メールサービスを開始するには、新たに多くの電波中継用の鉄塔を建設しなければならず、導入を取りやめた。各家庭に設置されている従前の有線放送システムなどを通じ、情報を提供するとしている。
仙北市でも今年度に導入を検討したものの、初期投資にかかる200万円以上の費用がネックになった。非常食の備蓄など防災関連の問題が山積し、優先順位が低いと判断したという。
メール配信サービスを開始した横手市でも、市内に6か所の不感地帯がある。同市の担当者は「様々な形で情報を伝えることが大事」と話し、こうした地帯では衛星携帯電話などを配置して補っているという。公共機関側には、多様な伝達手段を確保する意識も求められる。