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「ビッグサイトに展示されると知り、生産工場で働く職人さんやパートのお姉さんたちも『自分らの仕事が認められた』とすごい喜んでくれた。見に行くのを楽しみにしてくれていたのに」
男性用自慰用品「TENGA」のブースを一方的に撤去された「株式会社TENGA」の松本光一社長(39)は憤る。
「アダルトグッズも日本の技術力に見合う、お客さんに喜ばれる物を」という思いから、自己資金1000万円と3年の歳月をかけ開発したTENGAは、精密な内部構造に加え、「部屋に置いても恥ずかしくなく、女性からもプレゼントできるように」と手に取りやすいデザインを採用。昨年7月の発売以来、100万個を売り上げた。
「TENGAに携わるすべての人に誇りを持ってもらいたい」と賞に応募したところ、1次の書類審査をパス。通過すれば「Gマーク」がもらえる2次審査に向け、1カ月前から300万円以上をかけて準備を進めた。
一度は認可した展示案に対し、開催5日前になって事務局が「商品の性格上、家族連れに配慮して直接触れないように」と急な注文を出しても、透明なアクリル板を用意して対応し、「これでいい、大丈夫」とお墨付きも得た。
しかし、開催前日の22日、今度は「審査はするが展示は下げよ」との通告。土壇場での締め出しはさすがに拒否したが事務局は「決定事項」の一点張り。開催当日も「経緯の説明や根拠などについて書面でもらうまでここを動かない」と抵抗したが、初日3時間の幻の展示で終わった。
「応募の際、『男性用マスターベーション補助具』と明記し、性欲制御や性感染症、性犯罪防止など商品の意義を説いた。ダメなら1次審査で落とせばいい。23日は『実際に試せないから審査対象外。だから展示も不可』と言い訳まで変わった。普段スポットライトを浴びない中小企業の職人に勇気を与えるのが賞の目的ではないのか」
夕刊フジの取材に対し、事務局は「多忙な審査員は審査前に初めて現物を見る。女性など一部審査員から展示自体に批判があり、直前になって対象外となった」と説明。「事務局としては展示の方向だったが、アダルト関係は時期尚早だった。今後しばらくアダルトは無理」と、“エロの壁”を強調した。
松本社長は「TENGAを支持して下さった多くのお客さまや、関係者の方々をがっかりさせてしまった」と肩を落とす。アダルトグッズと見るや「不適切」と切り捨てたお歴々に、ものづくりの現場は見えているのか。
ZAKZAK 2006/08/25