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2006年08月23日(水) 16時54分

WSJ-マイクロソフトがフェースブックと独占契約、広告事業拡大へダウ・ジョーンズ

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米マイクロソフト(Nasdaq:MSFT)は23日、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手のフェースブック(本社・カリフォルニア州パロアルト)との間で同社のサイトに広告を提供する独占契約を結んだと発表した。性急に交わされたこの合意は、オンライン上に飛び交う広告収入の確保をめぐる競争の拡大を浮き彫りにした。

SNSは、ウェブ上で友人を紹介し合い友人関係を広げるサービス。マイクロソフトは、「ソーシャルネットワーキング」サイトを運営するフェースブックに広告を販売・提供する。フェースブックはハーバード大学の学生が立ち上げたウェブサイトから発展したもの。市場調査会社ヒットワイズによると、現在、米ニューズ・コーポレーション(NYSE:NWS.A)のSNS「マイスペース」に次いで、ビジター数ベースで全米2位。

マイクロソフトとフェースブックの幹部らは、両社の3年契約はバナー広告から開始するが、将来はマイクロソフトのインターネット検索サービスと連携した広告も手掛ける方針を示した。その他の具体的条件は明らかにしなかった。

今回の合意は、ライバルの米グーグル(Nasdaq:GOOG)との競争に苦戦を強いられているマイクロソフトを支援する可能性もある。マイクロソフトはネット検索事業に多額の資金を投じたものの、依然グーグルの後塵を拝している。マイクロソフトの課題の1つは、自社サイトにより多くのユーザーを呼び込むことだ。ビジター数が多くなれば、広告主にとっては魅力が増す。フェースブックは大学生の間で広く普及しており、登録ユーザー数は約900万人。マイクロソフトは、今後このユーザー層を利用することができる。

マイクロソフトは数週間前に、マイスペースとの同様の提携をめぐり、グーグルとの争いに敗れたばかり。グーグルは、ニューズにほぼ3年間で少なくとも9億ドルの広告収入を保証し、マイスペースに対するネット検索関連の広告・技術の提供をめぐる四つどもえの争いを制した。マイクロソフトの上級副社長、スティーブ・バーコウィッツ氏は、フェースブックとの契約は「同等なものではない」と語った上で、具体的条件の言及は避けた。同氏は、マイクロソフトが初めてフェースブックに提供する広告は「向こう数週間以内」に掲載されるだろう、と述べた。

バーコウィッツ氏とフェースブックのオーウェン・ヴァン・ナッタ最高執行責任者(COO)は、交渉を先週末に始め、合意に達したのは週末だった、と語った。交渉に詳しい関係者らによると、フェースブックはグーグルとも最近、同社の広告システム利用の是非について協議していた。

こうした交渉がマイクロソフトとの契約に照らして有効かどうかは不透明。グーグルの広報担当者はコメントを控えた。

ヴァン・ナッタ氏は、交渉に関するコメントを避けたものの、フェースブックがマイクロソフトを選んだ理由の1つは、同社の技術とアプローチがより適しているからだ、とした。「マイクロソフトは広告とソーシャルメディアに関する新しいアプローチの必要性を本当に理解していると思う」と述べた。また、マイクロソフトのオンライン広告事業への進出が比較的最近であるため、現在システムを構築中で、フェースブックのようなソーシャルネットワーキングサイト向けに技術を「改良する」必要がない点にも触れた。

(ダウ・ジョーンズ) - 8月23日16時54分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060823-00000031-dwj-biz