2006年08月19日(土) 10時07分

いかしゅうまい商標和解　呼子の名物　「観光振興に寄付金」で販売存続（西日本新聞）

　佐賀県唐津市呼子町の名産品「いかしゅうまい」の商標権などをめぐり、地元の水産加工会社２社が争っていた訴訟の控訴審が１８日、福岡高裁（牧弘二裁判長）で和解した。両社が観光振興のため地元商工会に計４５０万円を寄付する異例の条件付きで、「いかしゅうまい」の販売は両社とも継続する。

　訴訟は萬（まん）坊（ぼう）（太田善久社長）が「類似商品の販売で商標を侵害された」として１９９７年、約３６００万円の賠償を求めて佐賀地裁に提訴、木屋（山下正雄社長）も「取引先にうそを告げられた」として損害賠償を求めた。２００５年に萬坊の訴えが棄却され、木屋の訴えの一部が認められたことなどから、萬坊が控訴していた。

　今回の和解で、同商工会に寄付する金額は萬坊が１５０万円、木屋が３００万円。萬坊の太田社長は「お互いが地元に寄付することで、長く続いた訴訟を終わらせようと判断した」。木屋の山下社長も「対立は地域にもマイナス。ようやく片付いた」と語った。和解によって９年間に及ぶ「いかしゅうまい」の商標争いは決着した。

　＝2006/08/19付 西日本新聞朝刊＝

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060819-00000006-nnp-l41