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2006年08月18日(金) 11時05分

オウム・土谷被告、2審も死刑判決…一度も出廷せず読売新聞

 サリン生成の中心的役割を果たし、地下鉄・松本両サリン事件など6事件に関与したとして殺人などの罪に問われ、1審で死刑判決を受けたオウム真理教元幹部・土谷正実被告(41)の控訴審判決が18日、東京高裁であった。

 白木勇裁判長は、「教団随一の化学知識を駆使してサリンなどを合成しており、被告は一連の犯罪の中核を担っていたといえる」と述べ、1審・東京地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。土谷被告は控訴審には1度も出廷せず、この日も法廷に姿を見せなかった。

 弁護側は、「生成したサリンが犯行に使われるとの認識はなかった」などと無罪を主張したが、判決は、「地下鉄で散布されることまで認識していなかったとしても、教団外部の者に使用することは認識していた」と退けた。

 また、弁護側は、「化学の知識を教団に利用されただけ」とも主張したが、判決は、「実行行為をしていなくても、被告の関与なくして無差別大量殺人は起こし得ず、単なる工場長だったなどと矮小(わいしょう)化することはできない」と、断じた。

 判決によると、土谷被告は、94年6月の松本サリン事件で使用されたサリンを生成。95年3月の地下鉄サリン事件のサリンは、教団元幹部らを指導して生成させた。また、猛毒のVXガスによる3つの事件や薬物密造にも関与した。

 教団による一連の事件で死刑が言い渡されたのは計13人で、うち元幹部・岡崎(宮前に改姓)一明死刑囚(45)は刑が確定している。

 松本智津夫被告(51)は、東京高裁の控訴棄却決定を不服として最高裁に特別抗告しているほか、最高裁に上告中が8人、控訴審公判中が2人となっている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060818it02.htm