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金融庁の金利規制案
政府・与党は貸金業の上限金利を、利息制限法の上限(年利15〜20%)に原則一本化し、刑事罰がある出資法との間のグレーゾーン金利を撤廃する方針だが、貸金業界や一部議員が特例の高金利の容認を求めていた。
金融庁は少額・短期なら出資法の上限金利でも利用者の負担が小さく、多重債務に陥る危険が少ないと判断。元本を50万円までとする案もあったが、利用者の1社あたりの平均残高は約40万円であることから「50万円では少額と言えない」との意見が強まった。
金融庁は3〜5年かけて金利の一本化を実現させる方針。「特例」は一本化から2年程度の暫定措置として認める方向だ。「例外を設けると例外でなくなることもある」(与謝野金融相)との慎重な見方があるためだ。限度額内で何度でも借り入れや返済ができるリボルビング取引には認めない。
ただ、10万円の金額規制が機能するには、貸し出しの際に客が他からどれだけ借りているかをきちんと把握する仕組みが欠かせない。金融庁は今回の法改正で業者に信用情報機関への登録を義務付け、顧客情報の一元管理体制を促す方針だが、現在は貸金業界の「全国信用情報センター連合会」で加盟率は2割以下。全業者の登録には時間がかかる恐れがあり、その間の対策が必要となる。
金融庁はまた、利息制限法の上限を50万円未満が年利20%、50万円以上500万円未満が同18%、500万円以上が同15%に引き上げる案や一律同20%とする案も検討している。「今の上限は50年以上変わらず、物価上昇を考えれば理解を得られる」としているが、元本によっては金利が高くなるため、実現は難しい情勢だ。
一方、不招請勧誘の禁止を盛り込むのは、多重債務者の中に「業者に借り入れを勧められたことがきっかけ」という声が多いためだ。
同様の規制は6月成立の金融商品取引法にも盛り込まれ、外国為替証拠金取引で顧客の求めのない勧誘を禁止した。そこまでは厳しくならない見通しだが、「あなたなら絶対に返せる」などと根拠のない理由での勧誘は禁止になるとみられる。