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2006年08月16日(水) 00時00分

燃料価格の高騰で運賃値上げの動き 東京新聞

 原油高に伴う燃料価格の高騰を受け、地方のタクシー会社や航空業界で運賃値上げの動きが広がり始めている。コスト削減などで燃料価格の上昇分を吸収する企業努力には限界もあるといい、タクシーや飛行機の利用者にしわ寄せが来そうだ。

 タクシーに使う燃料の大半は液化石油ガス(LPG)。七月の全国平均価格が一リットル当たり前年同月比約13%高の七十一円まで上昇した。二〇〇四年七月と比較すると約17%も高くなっている。

 長野県では六月中旬以降、タクシー業者の値上げ申請が相次いだ。長野市などを除いた地域の百十八社中九十九社が一−二割の値上げを北陸信越運輸局に申請。料金改定は一九九六年四月以来で、認可されれば来春にも実施される見通し。

 値上げに踏み切った理由を、松本市内のタクシー会社は「燃料価格が上がり、経営が立ち行かない。このままでは従業員の給料も上げることができない」と訴える。

 大分県でも七月上旬以降、県内九十一社中六十五社が一割程度の値上げを申請した。

 ただ、競争が激しい東京都内では、「長距離割引など値下げ競争が一段落した。現状では値上げできない」(大手タクシー)といい、値上げの動きは出ていない。

 空も燃料価格高騰の影響を受けている。日本航空と全日空は、三、四月に国際線、国内線の運賃を値上げしたばかりだが、日航は今月、年内にも国際線を再値上げすると表明した。

 ジェット燃料の国際市況が今年三月末に比べ約20%上昇したためで、日航は燃料費が当初予想よりも年間約百五十億円増える見通し。経営体力の低下もあり「自助努力を超えている」(竹中哲也取締役)と厳しい見方を示している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20060816/mng_____kei_____006.shtml