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2006年08月15日(火) 00時00分

靖国厳戒、異様ムード…特攻服男50人が乱闘騒ぎもZAKZAK

報道陣300人、警備2500人

 霧雨が降り続く中、若者から高齢者まで幅広い層が参拝を待っていた同神社周辺は、早朝から異様な空気が漂っていた。

 午前5時過ぎには周辺道路も含め、50台近いテレビカメラと300人以上の報道陣が陣取った。警視庁も2500人という厳重な警備体制を敷いて、首相の到着を待った。

 開門時間の6時前には、すでに約50人の参拝客が神門前に。

 6時50分ごろ、「小泉首相靖国参拝阻止」と書かれたカードを胸に掛け、青いヘルメットをかぶった約30人の集団がマイクロバスで神社近くの道路に登場。すると、約50人の特攻服姿の男性らがバスを取り囲み、警視庁の赤色コーンや傘をバスに投げつけ、「とっとと消えろ」と叫びながら、バスから人を引きずり出そうとする乱闘騒ぎに。


参拝する小泉首相の姿を見ようと、本殿前には多くの参拝客が集まった(本社ヘリから) 興奮した特攻服姿の男性らを「暴れるな!」と、警察官が羽交い締めにする場面も見られた。

 7時40分、首相を乗せた黒塗りの公用車が靖国神社に到着すると、詰めかけた参拝客から日の丸の小旗が振られた。上空には報道各社のヘリコプター約10機が飛び交った。

 7時47分、首相が本殿の階段を上り、手を合わせて頭を下げると、拝殿前に集まった約300人の参拝客が写真を撮ろうと前へ押し寄せ、あわや将棋倒しになりかける。

 「万歳!」「小泉さんようやった、ありがとう」という声が、拍手とともにところどころから聞こえる一方、「参拝は憲法違反だ」と叫ぶ声も。

 参拝に訪れた主婦(60)は「毎年来ている。首相が来るのは当然で、中国や韓国の言うことなんか気にすることはない」と話していた。

■靖国神社をめぐる動き
 明治2年 東京招魂社として創建
   12年 靖国神社に改称

 昭和23年 東京裁判で東条英機元首相らA級戦犯25人に有罪判決
   27年 宗教法人に改組
   44年 自民党が靖国神社を国家管理とする法案を提出。48年までに計5回提出するが、いずれも廃案に
   50年 三木武夫首相が終戦記念日に参拝。昭和天皇が11月に参拝。以後、天皇は参拝せず
   53年 A級戦犯14人を合祀(ごうし)
   60年 中曽根康弘首相が終戦記念日に公式参拝
   61年 中国、韓国の反発を受け中曽根首相は参拝せず

 平成8年 橋本龍太郎首相が誕生日の7月に参拝
   13年 小泉純一郎首相が8月13日に参拝
   14年 小泉首相が4月21日に就任後2回目の参拝。福田康夫官房長官の私的懇談会が12月に「新たな国立追悼施設建設」を提言
   15年 小泉首相が1月14日に3回目の参拝
   16年 小泉首相が元日に4回目の参拝
   17年 大阪高裁が9月に小泉首相の参拝に違憲判断。小泉首相が10月17日に5回目の参拝

   18年
   4月 安倍晋三官房長官がひそかに参拝
   5月 古賀誠自民党元幹事長がA級戦犯分祀(ぶんし)を提言
   7月 昭和天皇がA級戦犯合祀に不快感を示したとするメモが明らかに
   8月 麻生太郎外相が非宗教法人化の私見を発表。小泉首相が15日に6回目の参拝

 (肩書きは当時)

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ZAKZAK 2006/08/15

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_08/t2006081501.html