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「日本の首相が2度と戦争を起こさない(ため)、戦没者を哀悼するために、靖国神社に参拝するのは当然のことだと思う。日本の首相がどこの施設に参拝しようが、(中国などに)批判される理由はない」
首相は10日、官邸で記者団にこう語っている。この5年間、靖国参拝の公約違反をずっと気にかけていただけに、重ねて15日に参拝する意向を示唆したものだ。
そこで、気になるのが総裁選への影響だ。
終戦記念日を控え、早くもマスコミが殺到する靖国神社=14日朝 評論家の屋山太郎氏は「影響はないと思う」といい、こう解説する。
「一般の世論調査では、靖国参拝に反対する人が賛成する人を上回っているが、自民党員の中では賛成の人の方が多いだろう。靖国参拝に慎重だった福田康夫元官房長官(70)の出馬が取りざたされていたときでも、自民党員の参拝賛成は反対の4倍だった」
これに対し、政治評論家の小林吉弥氏は「影響は少なくない」といい、こう語る。
「安倍氏勝利の流れは動きそうにないが、小泉首相が15日に靖国参拝を断行したときのインパクトは党内外に大きな波紋を引き起こす。『このまま(参拝支持の安倍氏)でいいのか』という声が出始め、参拝慎重派の谷垣禎一財務相(61)が肉薄する可能性もある」
安倍氏は所属する森派(86人)に加え、伊吹派(32人)や二階グループ(15人)の支持を獲得。党内第2派閥の津島派(74人)や第3派閥の丹羽・古賀派(48人)内でも支持の動きが広がっており、現状で党所属国会議員の7割近い支持を固め、ほぼ勝利を確実にしている。
このまま安倍新政権が誕生した場合、小泉首相の靖国参拝がどう影響するかも気になるところ。
屋山氏はこの点について、「安倍新政権にとってプラスになる。日本人は自尊心を取り戻す」といい、こう語る。
「中国は日本に対し、経済と技術を援助させる一方、反日をやるという両立しないことをやり、日本が謝れば『金を出せ』と言ってきた。小泉首相は5年間で、こうした異常な状態を正常化した。安倍氏の首相就任は、正常化した外交路線を定着させる最高のチャンスだ」
これに対し、小林氏は「国民世論の動きが注目だ」といい、こう続ける。
「小泉首相の靖国参拝よりも、安倍氏自身の靖国神社や先の戦争への考え方が問題となる。秋の臨時国会では、小沢一郎代表(64)率いる民主党がこの点を徹底的に突いてくる。これに国民世論がどう反応するか。当然、中国や韓国もこの様子を注視している。一国の総理大臣として、安倍氏がうまく立ち回れるかどうかが見ものだ」
ZAKZAK 2006/08/14