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冒頭陳述などによると、篠塚被告は木村建設社長の木村盛好被告(74)=同罪などで起訴=らと共謀、約13億4000万円の債務超過を約4億3000万円の黒字と偽った04年6月期の貸借対照表を国に提出し、05年6月に特定建設業の許可更新を受けたとされる。
検察側は、篠塚被告は会社存続のためには黒字決算に見せかける必要があると考え、同期の決算で売り上げを前倒し計上した4工事のうち、3工事の計上は篠塚被告が決めたと指摘した。
これに対して、弁護側は、重要事項は木村社長が単独で決めていたなどとして、無罪を主張した。
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げっそりとほおがこけた木村建設の篠塚明・元東京支店長の姿に、傍聴人も息をのんだ。4月26日の逮捕時点で20キロ以上減っていた体重がさらに減り、憔忰(しょうすい)しきった様子だった。だが、罪状認否では「粉飾については分かりませんし、知りませんでした」と、きっぱり起訴事実を否定した。
弁護団によると、3カ月に及ぶ勾留(こうりゅう)で、篠塚被告は食欲がなく、不眠にも悩まされ、「電報で『つらい』と訴えてきたこともある」。結果的に多くの偽装マンションの建設にかかわり、居住者らに膨大な損害を与えたことにも、思い悩んでいる様子だという。
「身柄拘束が必要な事件とは到底、言えない」。検察側の冒頭陳述の後、弁護人は、篠塚元支店長の勾留を続ける捜査側を痛烈に批判した。
この事件では、篠塚元支店長が逮捕、起訴されたのに対し、本社で木村盛好社長の指示を受け、虚偽の決算書類を作った元経理担当役員らが書類送検にとどまる。
「著しく不当な事件処理がなされたのは、姉歯秀次元建築士から根も葉もない発言をされ、耐震偽装問題の首謀者であるかのようにみられ、まず処罰ありきの観点から捜査が進められたからだ」
姉歯元建築士は昨年12月、国会で「鉄筋を減らすよう、篠塚支店長から相当プレッシャーをかけられた」と証言。警視庁なども篠塚元支店長を最重要人物の一人と位置づけ、「姉歯元建築士に偽装させた」と見ていた。
だが、捜査が進むにつれ、姉歯元建築士の偽証が明らかに。最初の偽装物件は木村建設と無関係で、篠塚元支店長に責任転嫁しようとしたことを元建築士自身が認めた。
検察側はこの日の冒頭陳述で、耐震偽装には一切、触れなかった。捜査関係者が当初、示唆していた木村建設の赤字体質と耐震偽装との関連にも言及しなかった。
一方で検察側は、篠塚元支店長が粉飾に積極的にかかわっていたと強調。粉飾は97年に篠塚元支店長が進めたマンション工事で約3億円の赤字が出たのがきっかけだったと指摘した。
http://www.asahi.com/national/update/0807/TKY200608070362.html