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9・11同時テロで被害を受けた、大手先物取引会社「エー・シー・イー・インターナショナル(ACEI)」(東京都港区)の米ニューヨーク市にある子会社の元社長(43)が、被害に絡んで米政府などから支給された補助金計約10万ドル(約1100万円)を着服したとして、ACEIが米国で返還訴訟を起こしていたことが4日、明らかになった。
元社長は補助金を無断で会社の口座から個人口座に移すなどしており、ACEIは業務上横領容疑で刑事告発する方針。元社長は日本人で、現在、新会社を設立し、経済アナリストとしてテレビでも活躍している。
ACEIによると、100%子会社「アメリカン・パシフィック・フューチャーズ」は1994年にニューヨーク市に設立され、親会社であるACEIからの注文をニューヨーク先物市場などに取り次ぐ業務をしていた。事務所のあるビルは、貿易センタービルから約100メートルしか離れていなかったため、2001年の9・11同時テロによって、窓ガラスは割れ、オフィス機器も壊れるなどの被害を受けた。その後、このビル自体も閉鎖されている。
子会社は、事務所を移転して営業を再開したが、02年4月から04年7月にかけて、見舞金や、今後もニューヨーク市で業務を続けるための援助などの趣旨で、米政府や同市当局などから4回にわたって、計約10万ドルの補助金の支給を受けた。
しかし、元社長は補助金について、ACEIには一切知らせないまま、独断で申請。支給された資金についても、ACEI側が把握していない子会社名義の隠し口座に移したうえ、03年2月と05年1月、5万ドルずつの小切手を発行して、そのまま個人名義の口座などに入金していたという。
05年初め、ACEIの役員がニューヨークを訪れた際、地元従業員などから話を聞いて発覚。ACEIは、元社長を退任させるとともに、補助金を同社に返還するよう求める訴訟を起こした。
元社長は、「5万ドルを個人的な借入金として使ったのは事実だが、隠そうと思ったわけではない。会社の経費などにも使った。ACEIから言われて2万ドルは返還した」などと話している。
ACEIは資本金1億円で、先物オプションと呼ばれる取引を専門に、年間約30億円を売り上げている。
元社長は現在、ニューヨーク市に住んでおり、月に数回、来日しては日本国内で営業活動などをすると同時に、テレビの経済番組にも出演している。