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会見する淀川キリスト教病院の船戸正久小児科部長(左端)ら=31日午前11時14分、大阪市東淀川区で
石田武院長や船戸正久・小児科部長らが31日、会見して明らかにした。同病院では98年10月に、無脳症などの致死的奇形や末期の脳室内出血などを対象とする赤ちゃんの終末期医療に関する指針を作っている。
指針策定後の99年から05年までの7年間に、同病院がこの指針に基づいて対応した事例を集計した。その結果、死亡した約70人の赤ちゃんのうち、すべての延命治療を中止したのは、重い脳室内出血などを起こした末期の超低体重児ら8人で、いずれも余命が数十分から1、2時間とされる時点で、両親の希望を受け、治療を中止したという。8人とも新生児集中治療室(NICU)で積極的治療を受けたが、複数の医師が回復が見込めないと判断した。
船戸部長は「最期の看取りの場合、家族との時間を最大限大切にし、お母さんの胸の中で、家族に囲まれて安らかに亡くなるケースが多い」と話した。
ほかに、苦痛の除去などを除く新たな治療を差し控え、家族との時間を尊重する「緩和的医療」の対象となった赤ちゃんは57人いた。
赤ちゃんへの終末期医療は、本人の意思確認ができないために難しいという指摘がある一方、過剰な延命治療を見直す動きも広がりつつあり、02年の船戸部長らの調査によれば、新生児医療の拠点病院の85%が延命治療の中止や差し控えを経験しているという。