2006年07月27日(木) 21時37分
<正露丸判決>ラッパとひょうたんに類似性ない 大阪地裁(毎日新聞)
「ラッパのマーク」の胃腸薬「正露丸」で知られる大幸薬品(大阪府吹田市)が、ひょうたんマークの正露丸を作っている和泉薬品工業(同府和泉市)に製造販売差し止めと約6400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、大阪地裁であった。田中俊次裁判長は、社名とマークを除く箱のデザインの類似性は認めたが、「(識別のポイントとなる)ラッパとひょうたんは似ておらず、混同の恐れはない」として請求を棄却した。
判決は、「正露丸」「SEIROGAN」の名前を使用している医薬品メーカーは2社以外に少なくとも10社以上あり、オレンジ色の箱の正面中央に商品名を赤で縦書きする各社共通のデザインは1955年ごろに定着したと判断。「大幸薬品が独占的に使用してきた事実はない」と述べた。
さらに、田中裁判長は大幸薬品と他社製品について「社名とラッパの図柄によってのみ識別可能で、大幸薬品も『ラッパのマーク』を強調する宣伝を行っている」と言及。その上で「和泉薬品工業の箱で『ラッパ』にあたる部分は『ひょうたん』で、類似しないことは明らか」とし、不正競争防止法違反には当たらないと結論付けた。
判決後、会見した和泉薬品工業の古下悦朗社長は「当然の結果だ。裁判を乗り切れたことに満足している」と話した。
【中本泰代】
大幸薬品の話 消費者の立場に立った判決とは思えない。判決文を検討した上で控訴する予定。
(毎日新聞) - 7月27日21時37分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060727-00000112-mai-soci