2006年07月26日(水) 08時59分
WSJ-アマゾン4−6月期は58%減益、通期営業利益見通しを下方修正(ダウ・ジョーンズ)
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米アマゾン・ドット・コム(Nasdaq:AMZN)が25日発表した4−6月期決算は、22%の増収となったものの、費用の増加により、純利益は前年同期比58%減少した。玩具大手トイザらスとの提携が打ち切られたことや、新たなイニシアチブに関連する費用増を受け、将来の収益性に対する懸念が浮上している。
アマゾンはまた、06年通期の営業利益見通しを下方修正した。これを受け、同社株は時間外取引で大きく下落している。
アマゾンは過去数四半期、技術、ウェブコンテンツ、ソフトウエア開発などへの投資を膨らませてきた。ユーザーがダウンロードできるデジタル書籍、映画・音楽などのイニシアチブを通じて、新たな成長を生むことが目的。ハイテク業界では、グーグル、マイクロソフトなどもコンピューター、ネットワーク機器、ネット検索などの分野で投資を拡大している。
しかし支出の拡大は、アマゾンの粗利益率および営業利益率ベースの収益性を圧迫している。電子商取引市場が成熟する中、アマゾンがこうした支出拡大を成長に結びつけていないことに対し、投資家やアナリストからは不満の声が聞かれている。
アマゾンの営業費用は4−6月期に4億6200万ドルとなり、前年同期の3億4600万ドルから34%増加した。技術とコンテンツに関連するコストは58%増加した。
トム・スクータック最高財務責任者(CFO)によると、トイザらスとの提携契約打ち切りと和解に関連する費用は、アマゾンの純利益を1000万ドル押し下げる要因となった。同社はまた、年後半に玩具カテゴリーに多額の投資を行い、幅広い製品にわたって値下げを実施する予定という。
純利益は2200万ドル(前年同期は5200万ドル)、1株利益は5セント(同12セント)となった。売上高は21億4000万ドル(同17億5000万ドル)。調査会社トムソン・ファースト・コールが集計したアナリスト平均予想は1株利益が7セント、売上高は21億ドルだった。
決算はナスダックの取引終了後に発表された。アマゾンの通常取引終値は72セント(2.10%)安の33.59ドル。その後の時間外取引では一段安となり、29.46ドルで取引されている。
06年通期の売上高見通しはこれまでの99億5000万−105億ドルから、101億5000万−106億5000万ドルに上方修正した。ただ、営業利益の見通しはこれまでの3億9000万−5億2000万ドルから、3億1000万−4億4000万ドルに引き下げた。
7−9月期については、売上高が21億7000万−23億3000万ドル、営業利益は700万−4200万ドルとの見通しを示した。
(ダウ・ジョーンズ) - 7月26日8時59分更新
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