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同病院によると、ドナーの女性は昨年十一月末、肝不全の五十代の夫に肝臓の一部を移植するため、肝臓切除手術を受けた。手術の二日後、麻酔の注入用に背中から挿入していたカテーテルの付近で出血が見つかり、血の固まる血腫ができて脊髄(せきずい)を損傷。両足まひなどの障害が起きた。
同日、背中の血腫の除去手術を施し、女性はリハビリを続けてきたが、症状はほぼ変わらないという。肝臓の提供を受けた夫は一時回復したが、今年三月に感染症のため死亡した。
病院側は事故の原因を「手術直後に血栓ができるのを予防するため投与した血液凝固阻止剤が過剰だった」と説明。三十代の執刀医の判断ミスで、投薬指針の二−五倍の量を投与するよう看護師に指示していたという。
同病院は、医療事故後、直ちにカテーテルを挿入している患者への血液凝固阻止剤の投入ガイドラインを独自に策定。事故の検証が終わるまで、生体肝移植手術を見合わせるとしている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060725/mng_____sya_____005.shtml