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2006年07月24日(月) 07時11分

余った公有地、ネットで競売 ヤフーが専用サイト新設へ朝日新聞

 各地の地方自治体が持て余した不動産を一般に売るインターネットのオークションサイトが来年1月にも新設される。ネットを使って税滞納者の差し押さえ品を売る公売が好調なのを受け、「2匹目のドジョウ」を狙う作戦。「平成の大合併」で旧庁舎などがだぶつく自治体も関心を示しており、初回の参加は10前後の自治体に上りそうだ。

 「うちの余った土地も処分できますかね」。最近、和歌山県管財課の職員に、全国の市や村の担当者からこんな電話がかかってくる。同県が、インターネットオークションでの公有財産売却を各都道府県と政令指定市に呼びかけ、5月に東京・渋谷で勉強会を開くと、北海道から九州まで30余りの自治体が集まった。この話を聞きつけた自治体からの問い合わせが、じわじわと増えている。

 開設されるサイトは、和歌山県の20代の男性職員が直接、知事に提案したのがきっかけ。同県がネットオークションを運営する各社に話を持ちかけたが、地方自治法はネットを使った公有財産の売買を想定しておらず、法律や条例上の手続きなどの課題が多かった。そんな中、税滞納者からの差し押さえ品を売るネット公売を考案した元東京都職員がいるヤフーが話に乗った。

 新システムは、だれでも入札に参加でき、パソコン画面に並んだ全国各地の不動産の写真を選んでクリックする。入札は1物件につき1人1回限りで、最高額を入れれば落札できる。自治体は落札額の一定割合を、サイトを運営するヤフー側に手数料として払う。

 和歌山県の目玉は、副知事公舎と出納長公舎の跡地。いずれも和歌山市内の高級住宅地にあり、面積は各約310平方メートル。海水浴場まで車で5分と、環境もいい。

 「お金も時間もある都会の団塊世代には、畑を耕し、夕日を眺める生活が受けるかも」と、担当者は意気込む。これまで県有地の入札は、広報紙などで知らせて文化会館に希望者を集めていたが、一昨年は4件すべてで買い手がつかず、昨年も7件中3件が売れただけだった。

 新潟県は、不要になった県立高校の校長公舎や移転する交番の跡地を出品したいとしている。「単独での導入は難しかっただけに、新システムは渡りに船」。少子化で統廃合された県立高校跡地も今後の検討対象だ。

 参加を模索する自治体の中には、約3200あった市町村が半分強になった「平成の大合併」で、不要になった旧庁舎や土地を抱え、使途に悩む自治体も多い。

 3町を編入合併した京都府福知山市では、旧町役場の庁舎一つが今や倉庫代わり。公民館なども余り気味だ。「財政難の中、抱えていても維持管理に手間も金もかかる」と担当者。

 一方で、東京都や静岡市は「支払う手数料を考えると、費用対効果がはっきりしない」と慎重な構えを見せている。

http://www.asahi.com/business/update/0724/036.html