2006年07月20日(木) 08時36分
<パロマ事故>周知おろそかの姿勢 裁判の部長証言で判明(毎日新聞)
パロマ工業(名古屋市)製の瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒死事故を巡り、同社の品質管理部長(当時)が00年10月、95年1月に北海道恵庭市で1人が重症になった事故を巡る札幌地裁の損害賠償訴訟で、「一般ユーザーに危険性を知らせても点検しないだろう」と証言していたことが裁判記録で分かった。周知をおろそかにしてきた同社の姿勢が改めて浮き彫りになった。
裁判では、事故原因の一つとされる湯沸かし器のコントロールボックスの不正改造が取り上げられた。改造の有無は、コンセントを外して燃焼し続けるかどうかを確認するだけで分かり、専門知識がない人でも簡単に点検できるが、部長は「点検方法を一般ユーザーに仮に知らせても、販売店に直接お願いするほどの効果はないと考えていた」と説明。さらに「器具の欠陥であれば(ユーザーに広報する)社内ルールがあるが、(不正改造は)欠陥と認識していない。一般への呼びかけを検討したことはない」とも述べた。裁判時には、パロマ側が発表した27件の事故のうち、既に25件が発生していたが、同社が点検方法を説明したのは販売業者らに対してのみだった。
一方、このコントロールボックスの故障は年平均約1300件に達していたことが、部長の証言で分かった。故障原因の3分の1が基板のはんだ割れで、これが起きると点火しなくなるか排気ファンが回転しなくなる。基板の不具合が多数発生していたことが不正改造の背景にあるとみられており、その事実が裏付けられた形となった。【真野森作】
(毎日新聞) - 7月20日8時36分更新
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