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2006年07月20日(木) 00時00分

パロマ器不正改造 ユーザーへの周知軽視 東京新聞

 パロマ工業(名古屋市)製の湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故が相次いだ問題で、事故原因となった不正改造の発見方法について、同社品質管理部長が事故に関する札幌地裁の民事訴訟で「一般ユーザーに知らせても効果は少なく、社内で検討したこともない」と述べていたことが明らかになった。顧客への周知をおろそかにし、事故の続発を許した同社の姿勢があらためて浮き彫りになった。

 一九九五年に北海道恵庭市で起きた事故をめぐる民事訴訟で、品質管理部長は二〇〇〇年十月の口頭弁論に出廷し、証言した。

 部長は、湯沸かし器の燃焼中にコンセントを抜けば、不正改造の有無を見分けられるとしたうえで、「販売店などにお願いして見てもらっていた。一般ユーザーに知らせても、それほどの効果はないと考えた」と発言。改造を誰が行ったかの調査についても「器具の欠陥ではないので、一件ずつ調査するということはしなかった」と話していた。

 また、部長は、不正改造を引き起こす要因となった湯沸かし器の「コントロールボックス」周辺の故障について、一九九三年−九七年ごろまで年間約千三百件あったとし、うち三分の一のケースで、ボックス内の配線部分ではんだ割れを見つけたという。

 コントロールボックスは、排気ファンやガス供給を制御する安全装置の役割を持つ。ボックスの故障で作動しなくなった湯沸かし器を使えるようにするため、不正改造が繰り返された。

 部長は、燃焼に伴う湯沸かし器本体の温度差によってはんだ割れが起きるとし、「寒いところは暖かいところに比べて温度差が広い分だけ多くなると思う」と証言していた。これまでに明らかになった全国の事故二十七件(死者二十人)のうち、寒冷地の道内で起きたのは半数以上の十五件(同九人)に上っている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060720/eve_____sya_____007.shtml