2006年07月19日(水) 00時57分
<パロマ工業事故>27件、20人死亡 社長は引責辞任表明(毎日新聞)
パロマ工業(名古屋市)製の瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故で、同社と親会社のパロマ(同)は18日、記者会見し、これまでの公表分と合わせ、1985〜05年に事故が27件発生、20人が死亡していたと発表した。安全装置が不正改造されていない機器の事故も4件含まれていた。パロマ側は一連の事故について初めて謝罪。パロマ工業の小林敏宏社長は対象機種の点検終了後、引責辞任すると表明した。一方、パロマの小林弘明社長は、自らの責任について「失った信頼を回復するのが役目」と述べるにとどまった。
パロマは14日、80〜89年に製造した屋内設置型の「半密閉式瞬間湯沸器」4機種で17件の事故が発生し、15人が死亡したと発表していたが、その後の調査で、同じ機種から新たに秋田、福岡など5都道県で10件の事故と死者5人が判明。事故は8都道府県に拡大した。
また、27件のうち、機器の劣化で制御基盤内のはんだが割れ、安全装置が作動しなくなったことによる事故が4件あり、6人が軽症となっていたことが分かった。同社は14日、「製品自体に問題はなく、事故は不正改造が原因」と発表していた。不正改造以外の事故の発覚について同社は「いずれも10年以上使用されており、機器の劣化は止めようがない。当時としては最善の設計だった」と釈明した。
パロマ工業の小林敏宏社長は、24年間パロマの社長を務め、昨年秋に長男の弘明氏に社長を譲り、パロマの会長に就任した。
パロマは専用相談窓口(0120・314・552)への情報提供を呼びかけるとともに、事故を起こした4機種と類似の3機種を無償交換する。対象機種は▽PH—81F▽PH—82F▽PH—101F▽PH—102F▽PH—131F▽PH—132F▽PH—161F。同社によると、これら7機種は計約26万台販売され、現在使われているのは1割以下という。【中井正裕】
(毎日新聞) - 7月19日0時57分更新
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