2006年07月19日(水) 08時02分
パロマ事故 27件、死者20人に 社長謝罪、会長は辞意(産経新聞)
パロマ工業製ガス瞬間湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故で、親会社パロマ(名古屋市)は18日、社内調査の結果、経済産業省から指摘を受けた17件以外にも10件の事故を把握し、死者も5人増えたと発表した。事故総数は27件、死者は計20人に上った。調査は引き続き行い、補償も検討するという。
死者5人は、既に表面化していた平成2年12月の北海道帯広市の2人のほかに、4年12月に福岡市で1人、6年2月に秋田市で2人。
パロマの小林弘明社長は会見で「(14日の)前回発表より事故件数が増え、われわれの認識のなさをおわび申し上げる」と謝罪、初めて社としての責任を認めた。父親でパロマ工業の小林敏宏社長(パロマ会長)は「安全確認が完了した日に進退を考えたい」と述べ、辞任の意向を示した。
パロマ工業は調査対象となった昭和55年〜平成元年製造の屋内設置型の半密閉式瞬間湯沸かし器7機種を無償で新型製品と交換する。
27件のうち、安全装置を作動させずガスが供給できるように不正改造されていたのは14件。経年変化による安全装置の劣化が4件あり、はんだ付け部分にひびが入るなどしていた。当時の設計レベルでは製品の不良ではなかったが、現在の基準に照らすと不良とされる可能性があるという。「原因不明」も5件あった。
14日の会見と今回の発表内容が異なった理由については、「社内のデータ管理が不十分だった」としている。
一方、経済産業省は原子力安全・保安院院長を委員長とする「瞬間湯沸かし器事故連絡会議」を省内に設置。同省によると、17日までに同省やパロマなどの相談窓口に計4651件の問い合わせがあった。点検・改修対象の7機種、269件の点検を実施した結果、6件で安全装置が作動しないよう不正改造されていたことが分かった。
(産経新聞) - 7月19日8時2分更新
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