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2006年07月15日(土) 03時37分

パロマガス湯沸かし器で中毒17件、15人死亡朝日新聞

 パロマ工業(名古屋市)が製造したガス瞬間湯沸かし器で、排気ファンの作動不良が原因とみられる一酸化炭素中毒事故が85年以降、17件発生し、15人が死亡していることが14日、経済産業省の調べで分かった。同省は同社やガス事業者に緊急点検を指示した。同省はそれぞれの事故についてガス事業者から報告を受けていたが、今月に入って警視庁から「パロマ製品で事故が起きている」として情報提供を求められるまで対策をとっていなかった。

パロマ工業の本社=14日午後6時22分、名古屋市瑞穂区で

事故があった半密閉式瞬間湯沸かし器

 同省によると、事故が起きたのはパロマが80年4月〜89年7月に製造した4機種。室内の空気を取り入れてガスを燃焼させ、ファンで排ガスを室外に出す仕組みだ。

 しかし85年1月〜05年11月、これらの機種を使った北海道や東京都などの住宅や店舗で、一酸化炭素中毒で住民らが倒れる事故が17件あり、15人が死亡、19人の重軽症者が出た。いずれも排気ファンが作動不良を起こし、一酸化炭素が屋外に排出されなかったのが原因とみられるという。

 ファンが停止した場合、ガス供給を自動的に遮断する安全装置がついていた。しかし、安全装置の配線が改造してあったため、不完全燃焼が起きたとみられる事故が少なくとも5件あった。事故機種以外にも類似機種が3種類あり、計7機種の出荷台数は約26万台に上るという。

 これに対して、パロマは「事故は安全装置を不正改造した機器だけで起きている」としている。

 同省はファンの作動不良がなぜ起きたかや、安全装置の改造の経緯などの調査を急ぐ。

 20年以上対策をとらなかったことについて、同省は「共通性、関連性が把握できなかった。結果として対応が不十分だった」としている。

http://www.asahi.com/national/update/0714/TKY200607140514.html