2006年07月04日(火) 15時37分
第十六回 「アイテムショップ型 SNS 〜 デジタルアイテムやコンテンツ販売を収益基盤とする一般型 SNS」(japan.internet.com)
以前、このコラムで「
ゲーマーが熱中するコミュニティ 」として韓国の Hangame を取り上げ、その巧みな心理的メカニズムを記した。そこでは、広告や使用料ではなく、アバターを中心とした「デジタルアイテム」のユーザー販売が主たる収益源となっている。
今回はこのような「アイテムショップ型 SNS」について掘り下げてみたい。
アイテムショップ型 SNS は韓国モデルと言っても過言ではなく、韓国人口の30%以上が登録しているとされる巨大 SNS「Cyworld」が典型的な成功事例である。韓国発ではあるが、日本国内の成功事例としては先にあげた無料ゲームコミュニティ「Hangame」があげられる。
また、多少ジャンルが異なるが、デジタルコンテンツ販売という意味では、音楽配信 SNS も増えてきており、今後の展開が注目される。
【活用目的】
オンラインゲームや音楽配信事業者などが、コンテンツを通じたユーザー会員間コミュニケーションの活性化により販売促進を狙うケースが多い
【収益モデル】
アバター、スキンなどのデジタルアイテムや、ゲーム、音楽やデザイン素材などデジタルコンテンツ販売
【重要な指標】
会員数/ページビュー/販売単価/リピート購入率
【SNS コミュニティとしての重要な機能】
・デジタルアイテム型:個人のバーチャル空間を提供し、訪問者への「見栄」を演出/アイテムの質の高さ、多様性
・デジタルコンテンツ型:コンテンツの質が最大のポイント/多角的な検索サービスやランキング表示/同好の士によるクチコミの促進/個人属性と購買(行動)履歴に基づくリコメンデーション
【活性化のポイント】
・初期会員数とコアユーザーの育成
・クチコミやプレゼントの習慣、レアものの演出
【リスクの可能性】
・個人情報の流出
・クレジットカード情報の流出
・著作権の対策
デジタルアイテム、デジタルコンテンツの品質や品揃えが重要であるため、それを継続的に提供できるサービス事業者に向いている。コンテンツ販売の場合は著作権処理がポイントとなるため、DRM が確立されている携帯電話配信との連動も注目される。また PC ベースでは、新生ナップスターなどによる P2P 技術をベースとした月額固定料金での無制限ダウンロードサービス「サブスクリプションサービス」を SNS コミュニティと連動させる動きが活発化している。
【当コラム執筆は、Looops Communcations 代表である斉藤が担当しています】
記事提供:
株式会社LooopsCommunications(ループス・コミュニケーションズ)
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(japan.internet.com) - 7月4日15時37分更新
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