2006年07月04日(火) 13時09分
通販会社開設者ら11人逮捕 学生中心にねずみ講(京都新聞)
京都の大学生らを中心に会員を集めた「アースウォーカー」(大阪市中央区)のねずみ講容疑事件で、京都府警生活経済課と下鴨署などは4日までに、無限連鎖講防止法違反(開設、運営)の疑いで「ねずみ講」開設者の大阪市浪速区日本橋西1丁目、無職吉田朗太容疑者(31)や同社社長の群馬県渋川市石原、石田王良容疑者(49)ら11人を逮捕した。他に同容疑で上位会員の男(30)1人の逮捕状を取り行方を追っている。
同社をめぐっては、強引な勧誘などでトラブルが続出し、元会員が出資金返還を求める民事裁判も起こしている。「通販ビジネス」を隠れみのに約5500人から24億円を集めたピラミッド型「配金システム」は刑事事件に発展した。
他に逮捕されたのは、会員組織の頂点にいたとされる京都市東山区泉涌寺東林町、通信販売会社社長大西隆徳容疑者(29)や名古屋市中川区中島新町4丁目、同藤田東容疑者(33)ら。
府警によると、11人は2004年1月から05年6月までの間に、京都市内の学生ら新規に獲得した会員計50人に対して出資金計約2000万円を入金させ、上位会員に現金を配当してねずみ講を運営し、吉田容疑者ら6人はねずみ講を開設した疑い。全員が組織の存在を認める一方で「ねずみ講ではない」などと犯意を否認しているという。
これまでの調べでは、同社はくじ付きの通信販売カタログの配布事業を行う「オーナー」と称して会員を募集。新規会員の勧誘に成功したり通販商品の購入者を獲得するなどした場合、上位会員が一定の配当を受け取るシステム。府警は同社の収益の大半が新規会員の出資金でカタログ商品の売買は極めて少なく、通販事業とは名ばかりのねずみ講組織に当たると判断した。
府警は、吉田容疑者が過去にも同様のねずみ講を運営した経験を元に、今回の通販カタログ事業を名目にしたねずみ講のシステムを考案したとみている。吉田、石田両疑者ら役員は収益に応じて不定期に報酬を得ており、多い時で1度に1000万円の入金もあったという。大西容疑者は6段階あるピラミッド型の組織の最上位会員で、月300−400万円の配当を受け取っていたほか、自身が経営する会社の事務所(京都市)に会員を集め、会員獲得の研修会などを開催していたという。
(京都新聞) - 7月4日13時9分更新
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