2006年06月29日(木) 21時17分
<悪臭トラブル>再三の指導従わず、男性宅捜索 東京・中野(毎日新聞)
東京都中野区の民家で、住民の無職男性(57)が約3年前から自分の排せつ物を庭に埋めるなどし、近所に悪臭が広がるトラブルが続いている。同区は再三にわたり悪臭を出さないよう男性に指導をしてきたが、従わないため警視庁に都環境確保条例違反容疑で刑事告発。同庁は29日、この男性宅を家宅捜索した。
同庁生活環境課や中野区によると、男性は同区弥生町3の商店街に隣接する住宅地で1人暮らしをしており、03年ごろから、バケツなどにためた自分の排せつ物を庭に埋め、ごみを放置し始めた。大量の風鈴をつるして騒音も出していたという。
付近の住民から苦情が相次ぎ、地元自治会は05年に排せつ物の処分を求めて同区に約1000人分の署名を提出。区は数十回にわたり男性に指導や改善命令を出したが、従わなかった。29日の捜索では捜査員十数人が排せつ物を採取し、区職員が消毒剤の散布を行った。
排せつ物を適正に処分しない理由について、男性は毎日新聞の取材に「深い理由はない。庭に放置してもトイレに流しても違いはない」と話す。近所の主婦(53)は「夏場は特にひどく、洗濯物にもしみついてしまう」。商店主の男性(69)は「商店街のイメージダウンになり、客足も遠のいた」と話す。
区の担当者は「悪臭で閉店に追い込まれた店もあり、周辺の生活に大きな影響が出ている。早く事態を改善したい」としている。
同条例違反は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金と規定されている。【佐々木洋、鳴海崇】
(毎日新聞) - 6月29日21時17分更新
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