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家電の部品などの再利用を義務づける家電リサイクル法は01年4月に施行された。対象はブラウン管テレビ、エアコン、冷蔵・冷凍庫、洗濯機。消費者が捨てる時にリサイクル費用と収集・運搬費を負担する。小売業者や市区町村が廃家電を受け取って家電メーカーに引き渡し、メーカーがリサイクルする仕組みだ。
同法には施行5年後に見直すとの規定がある。両省の諮問機関の下に、電機メーカー、家電量販店、地方自治体、消費者団体などの代表、大学教授ら約30人による合同小委員会が設けられ、この日、初会合が開かれた。
見直し論議の最大の焦点は、リサイクル料を前払いにするかどうかだ。
支払いを逃れるため、山林などに不法投棄する動きが後を絶たず、04年度の不法投棄は約17万台で施行前より約5万台増えた。中古品業者の間では、消費者から無料で廃家電を引き取って、再販売できる家電を独自ルートで売りさばき、それ以外は捨てる例も目立つ。
前払い式を推すのは、不法投棄対策に頭を悩ます市区町村だ。この日の審議でも、委員の島根県斐川町の本田恭一町長が「必要なくなったものにお金を払いたくないのは人間の心情」と訴えた。
小売業界でも「パソコンと同じように価格に含めて徴収する方が手間がかからない」(大手量販店)との主張が目立つ。
だが、消費者が購入時に払う金額が増えると売れ行きに響くと心配するメーカー側は「値上げに見えてしまう」(電機大手)と後払い派が多い。
同様のリサイクル制度があるパソコンや自動車はいずれも前払い式だ。家電が後払い式になったのは、販売済みの製品が膨大にあることや、将来に必要になるリサイクル費用の算定が難しいというのが理由だった。
前払いに変えるには、制度の抜本的な見直しが必要になる。家電は販売台数が多いだけに、経産省内では「大混乱したPSEマークの二の舞いになる」と慎重論も多い。
もう一つの焦点が対象品目の拡大だ。販売が急増している薄型テレビは、メーカー側も「時代の流れなので仕方ない」と覚悟している。
だが、小委員会では、衣類乾燥機や電子レンジなども追加が検討される見通しだ。大手メーカーからは「ある程度の重量がある製品でないとリサイクルする価値がない」と、大幅な拡大に難色を示す声が出ている。