2006年06月28日(水) 08時33分
日本郵政の西川社長 実施計画の骨格案 郵貯、3年後に150−160兆円(フジサンケイ ビジネスアイ)
■運用型形態めざす
日本郵政の西川善文社長は27日、自民党の財政金融部会と金融調査会の合同部会に出席し、2007年10月の民営化に向けた郵便貯金や簡易保険など実施計画の骨格案について説明した。
西川社長は「郵便貯金、簡易保険、郵便事業ともに現行と同じ体制で民営化を迎える」とし、郵貯の預入限度額、簡保の加入限度額などを当面変更しない方針を説明した。新規参入を検討しているとされる貸金業分野については、「ノウハウや人材がそろわない状態であり、当面(参入は)考えていない」と発言した。
民間金融機関から郵貯や簡保の資産規模圧縮の要請が強いことに対しては、既存の金融機関との競争力の関係から、「郵貯の預入残高は03年前後の260兆円から現状では200兆円となり、3年後には150兆〜160兆円規模まで落ち込む見通し。簡保の総資産も、03年前後の122兆円から119兆円となっており、明らかに資産規模は縮小している」としたうえで、郵貯に関しては現在、10円ごとに利子を計算する「付利単位」の引き下げなど、サービス向上策も必要との見方を示した。
郵貯の将来的なビジネスモデルについて、西川社長は「農林中央金庫が参考になる」とし、貸金業よりも、資産運用で収益を得る事業形態を目指す考えを強調。民間銀行などとのすみ分けの可能性を示唆した。
自民党の議員からは「国債の安定消化という点で、郵便局での国債の窓販を強化してはどうか」などの意見が出され、西川社長も「窓販の収入は重視している」と答えた。
骨格案は民営化後の業務内容などをまとめたもので、7月31日に政府の郵政民営化推進室に提出される見通し。
9月以降に与党の議論を経て実施計画が策定される。
(フジサンケイ ビジネスアイ) - 6月28日8時33分更新
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