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奈良市の小1女児(当時7)が04年11月に誘拐、殺害された事件で、殺人やわいせつ目的誘拐などの罪に問われた元新聞販売所従業員、小林薫被告(37)の公判が26日午前、奈良地裁(奥田哲也裁判長)であった。弁護側は最終弁論で、「被告をつくり出した責任の一端は社会にある」と主張。その上で「反省の気持ちをのぞかせるなど人間性は有しており、矯正は可能だ。死刑に処してはならない」と求め、初公判から1年2カ月で結審した。判決は9月26日に言い渡される。
検察側は今月5日の論告で死刑を求刑していた。小林被告は裁判長から最後に意見を求められたが、「何もありません」と答えた。
弁護側は、殺人について「わいせつ目的で風呂に入れた女児が怒って浴槽から出ようとしたため、とっさに殺意が生じた」と計画性を否定。母親の携帯電話に女児の遺体画像などを送信した行為などについては「パニック状態に陥り、開き直った心境でした場当たり的行為」とし、残虐性を強調する検察側の主張は不当だとした。
また、小林被告の反社会性人格障害は父親の暴力や学校での差別、周囲の無視など、不幸な育成環境にもとづくものと指摘した情状鑑定書を引用。「被告の人格が社会によって形成された以上、すべての責任を押しつけ、抹殺してはいけない」と述べた。
さらに法廷で、亡くなった母の話題に涙を流したことや、拘置所で寝る前に女児の冥福を祈っていることに触れ、「人間的な部分は残っていて矯正は可能だ」「反省の念をそれなりに有している」とした。
また、検察側が「被害者が1人でも極刑がやむを得ないと認められる場合がある」との最高裁判断を死刑求刑の根拠としたことに、「凶器を使った残忍な殺害方法ではなく、極刑のケースには当たらない」として死刑回避を求めた。