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総務省によると、今年三月末現在、全国で約千九百十三万世帯がCATVに加入。世帯普及率は38%にのぼる。
CATVは一九五五年に群馬・伊香保地区で誕生、以来全国に広がり、近年は微増傾向が続く。当初の目的は難視聴地域の解消だったが、最近は地上波テレビにはないチャンネルが視聴できるなど、多チャンネルの優位性を発揮して顧客を獲得している。
「ケーブルテレビが向かう未来」と題したシンポは、放送と通信の融合をめぐるテーマに特化。光ファイバーなどのブロードバンド(高速大容量)回線の普及、CATVのお株を奪うような地上波放送の再送信を担うIP放送、USENが運営するネットテレビ「GyaO」の人気…。CATV事業者や識者による討論は、直面する課題と向き合った。
全国規模で事業展開する「J‥COM(ジュピターテレコム)」の加藤徹・商品戦略本部長は「まだ伸びる余地のあるマーケット。(番組などの)ブランドを広げる努力が必要」と語る。一方で、NTTなど大手通信業者との競争について、「低価格化の争いになると、真っ向勝負はきつい。地域密着戦略などで差別化を図りたい」という。
では、地域密着型の事業者はどうか。大分ケーブルテレコム(大分市)の佐藤英生社長は「常々危機感を持っている」とし、差別化を図る策として、防災機能の充実を挙げた。国や自治体の「地震緊急連絡システム」を活用し、災害時にきめ細かい情報を提供できるよう態勢を最近整えたという。大分県内が震源で、最大震度5弱を記録した十二日早朝の地震で、早速威力を発揮した。
討論には通信業者も参加した。KDDIのコンシューマ事業統括本部ケーブル事業推進室の藤本勇治室長は「(NTTなどが新規参入する)すき間をなくすことが大切」と、ライバルと対抗する思惑からか、CATVとの連携に意欲的。「われわれの固定電話(回線)を守るために、(CATVには)強くなっていただきたい」とエールを送った。
基調講演した慶応大学メディア・コミュニケーション研究所の菅谷実教授は「差別化ブランドの確立や、地域間の連携などを構築すべきだ」とした上で、「双方向型の地域情報やキラーコンテンツ(魅力ある番組など)、社会インフラとしてのケーブルネットワークの形成をし、意義をもう一度確認すべきだ」と課題を示した。
CATV関連の総合イベント「ケーブルテレビ2006」は十六日まで、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催している。最新のCATV機器やシステムの展示、番組を供給する事業者など計百六十四社が出展している。展示ブースは入場無料。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/hog/20060615/mng_____hog_____000.shtml