2006年06月14日(水) 00時00分

ＫＤＤＩ４５０万件情報流出 入手の２人現金を要求 （東京新聞）

　大手電話会社「ＫＤＤＩ」（東京都千代田区）が運営するインターネット接続サービスＤＩＯＮの顧客情報を入手し、同社から現金を脅し取ろうとしたとして、警視庁捜査一課と麹町署は十三日、恐喝未遂の疑いで、川崎市中原区下小田中、職業不詳箕村明夫（５７）と、東京都足立区大谷田、同鳥居朗彦（４７）の両容疑者を逮捕した。　

　二人が同社に持ち込んだＣＤ−Ｒ（書き込み可能なＣＤ）などの記録媒体には、延べ約四百五十万人分の住所や氏名、生年月日、メールアドレスなどが記録されていた。

　調べに対し、箕村容疑者は「友人（鳥居容疑者）と二人でやった」と容疑を認め、鳥居容疑者は「情報は（別の）友人からもらった。ＫＤＤＩで仕事がもらえると言われ、箕村容疑者についていっただけ」と供述。同課などは顧客情報の入手先を追及する。

　調べでは、二人は先月三十日、「契約者のデータ約四百五十万件を入手した。ＫＤＤＩから流出したと思われるが、どう対応するのか」と同社に電話。今月は三回、箕村容疑者が千代田区の同社本社を訪問。計約四百五十万件の個人情報を記録した記録媒体を同社役員らに提示し「株主総会は十五日。マスコミに持ち込んだら大変な騒ぎになる」などと言って、現金五百万−一千万円を脅し取ろうとした疑い。鳥居容疑者は同社近くで車で待機していたらしい。

　箕村容疑者は、具体的な要求額は口に出さず、指の動きで表現していたという。五月三十日以降十数回、情報を小出しにして同社に持ち込んだり、電話をかけたりして、対応を迫っていた。

　顧客情報流出をめぐっては、二〇〇四年二月、「ヤフーＢＢ」の顧客情報約四百六十万人分を入手し、親会社の「ソフトバンク」から現金を脅し取ろうとしたとして、元政治団体代表の男らが逮捕されている。

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060614/mng_____sya_____009.shtml