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2006年06月12日(月) 00時00分

エレベーターきょうから本格検証 東京新聞

 東京都港区のマンションで、十六歳の男子高校生がエレベーターに挟まれ死亡した事故で、警視庁捜査一課と三田署は十二日、原因究明に向けた本格的な検証作業に着手する。事故後、初めてかごを十二階に降ろし、内部の検証や、再現実験を行う予定だ。これまでの捜査では、事故の状況から、動きをコントロールする制御盤の誤作動や、ブレーキ系統の不具合の可能性が浮上。身近な移動手段で起きた重大事故の波紋は大きく、同課などは事故の過失責任を慎重に調べている。

 ●安全装置作動せず

 「いつもと変わらないスピードで上昇して十二階で止まった。高校生が出ようとしたとき、また上昇した」。事故機に同乗していた女性(57)は捜査員にこう説明した。

 エレベーターには建築基準法施行令で義務づけられた安全装置の一つで、かごのドアが閉じていないと昇降できない「インターロック」と呼ばれる仕組みがある。だが、捜査一課などの調べでは、事故当時はドアは全開状態だった。

 制御盤に何らかの異常が起き、安全装置が正常に作動しなかったのか。これまでの目視による検証では電気系統に顕著な異常はないといい、再現実験などで昇降やドアの開閉、ブレーキなど一連の制御に異常がないかを調べる。

 ●電源「切」で上昇

 制御盤の誤作動とは別に、専門家らが着目するのは、救出活動時に事故機の主電源を切ったにもかかわらず事故機が上昇、昇降路の最上部に衝突した異常な動きだ。

 エレベーターは電源が切られると、かごが惰性で動かないよう自動的に制動がかかり、その場に停止する仕組みになっている。これまでの検証ではブレーキ系統に外形上の異常は見当たらない。捜査一課などは、ブレーキ部品の劣化などが事故につながった可能性もあるとみて、詳しく鑑定する。

 ●不具合情報伝わらず

 同マンションを管理する港区住宅公社は、事故機と隣の同型機の計二基で、過去三年間に計四十三件の不具合があったと発表した。だが、入札の結果で保守管理の受注先は一年ごとに代わっており、「不具合多発」の情報は引き継がれていなかった。

 死亡事故が起きる危険性を予見し、未然に防げなかったのか−。捜査一課などは、約百五十点の押収資料を分析して、原因究明とともに安全管理の実態も調べている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060612/mng_____sya_____008.shtml